ロルフィングとは10回の施術で全身を整えるアメリカで開発された整体(ボディワーク)です。

日本人が克服しなければいけない中心軸の呪い

はじめに

ツイッターにて▼のツイートが回ってきました。

動画を見るとイングランドの選手と日本の選手では明確に身体の使い方が異なっているのが見て取れます。

現在“ロルフィング®︎のたちばな”では「4つの支持軸タイプ」という視点で動作を捉えていますがその「4つの支持軸タイプ」で分類するとイングランドの選手は「中間内軸(2軸)」を活用しており、日本の選手は「内側軸(1軸)」を活用しています。

この「支持軸タイプ」には各々明確な特徴があり、この両者の選手のパントキックというプレイにその特徴がわかりやすく現れているのです。

今回はこの両者の動きの違いについて語りたいと思います。

支持軸とはカカトから指先にかけてのライン上を体重を支える支持点を置くことによって形成されます。

イングランド選手

動画を確認するとイングランドの選手はキックを放った後にキック方向に身体が移動しています(▼画像参照)。この身体(重心)の移動による運動量(質量×速度)を適切に活用できているのでキック音が派手に聞こえます。そして、ラグビーのパントキックを全く知らない人が 見てもフォームがキレイだというのがわかります。

日本人選手

日本の選手は身体の上下に串をさしたような中心軸が形成されており、キックを行なってもその中心軸に身体が縛られたかのように身体の移動ができていません。その為にキック音が鈍い音になります。実際には身体(重心)の移動による運動量(質量×速度)はイングランド選手ほどボールに伝わってはいません。

見た目も窮屈であり、イングランドの選手はボールをキックした側に胸が向くのに対して、日本の選手は向き切れていません。

※この両者の違いはまず繰り返し動画を見ることによってみえてくるのでプレイの場面のみを切り取った動画を▼にリンクしましたのでご活用下さい。この両者の同じ動作でありながら運動構造の違いはかなり明確なので動作を見る眼を養うのにも役立ちます。

中心軸の呪い

日本では武道・武術だけでなくスポーツ界でも「中心軸」という用語が浸透しています。

大抵はパフォーマンスを高める為に使われることが多いのですが実際にはこの「中心軸」があることで日本人は西洋由来のスポーツが苦手なのです。

実は、日本の文化の中で生活している場合「中心軸」は誰もが身につけています。

ですが、この「中心軸」は万能なものではありません

むしろ、かなり限定的にしか使うことができないのです。

基本的には「中心軸」が形成されていると、

⚫︎前方への移動が得意
⚫︎頭部から股関節まで固定的に使う

という特徴があります。

前方への移動が得意ということは逆に言うと「前方以外の左右や曲線の軌道を描く移動」が苦手ということです。

さらに頭部から股関節を固定的に使うので「身体を捻る」ことも得意ではありません。

▲の日本の選手のプレイを見るとこの特徴が明確に表れています。

イングランドの選手は曲線的な移動ができているのに対して、日本の選手はその曲線的な移動ができないのでその場に縛り付けられたかのように動きが止まっているのです。さらに、一見身体は捻れているように見えますが、これはその場に無意識に留まろうとする身体の反応(居着いた状態)によるものなので、この体幹の捻れはキックの威力に全く寄与していません(むしろカウンターモーションとなり威力を低下させる働きをしている)。

“ロルフィング®︎のたちばな”では日本人のこのような特徴を「中心軸の呪い」と呼んでいます。

4つの支持軸タイプ

実はイングランドの選手と日本の選手のこうした動作の違いというのは、「支持軸」の違いということで説明ができてしまいます。

「支持軸」とは体重を支えるポイントである支持点(体重の荷重点で)の使い方になります。支持点を使う部位によって現在4つのタイプに分類しています。

▼の画像はその各支持軸の足底のラインを表しています。このラインの上を支持点が動くことによって全身の身体の使い方や重心移動がある程度決まるという考え方です。

「4つの支持軸タイプ」についてはブログ記事の『軸の正体シリーズ』をご確認下さい。

❶内側軸(通称:1軸)
❷中間内軸(通称:2軸)
❸中間外軸(通称:3軸)
❹外側軸(通称:4軸)

イングランド選手はこの分類で言えば「中間内軸(2軸)」であり日本選手の「内側軸(1軸)」になります。

練習不足が原因ではない

日本の選手が「中心軸の呪い」にかかってしまうのは「内側軸(1軸)」の特徴からして自然と言えるのです。

これは決して練習不足が原因ではありません。文化的な支持軸の選択が大きな要因になります。

なので日本の選手がイングランドの選手のようなプレイをしようと練習量を増やしたとしてもなかなか成果はでないでしょう。

ですが、使用する「支持軸」を変える(この場合にはラグビーに適した「中間内軸(2軸)」)だけであっけなくこの課題は克服できてしまうのです。

適切な支持軸を使うだけ

現在、より上を目指してロルフィング®︎の個人セッションを受けていただいているラグビー(ポジション:スクラムハーフ)をされているクライアントさんにこの動画を見ていただいて実際にパントキックを行なっていただきました。
※スクラムハーフのポジションでパントキックは多用されます。

まずは普段通りにパントキックを行ってもらってから、「内側軸(1軸)」と「中間内軸(2軸)」を疑似体験するテクニックを用いて再度行なってもらい感覚の違いを確認しました。

「内側軸(1軸)」を疑似体験した状態では普段行なっている感覚だそうです。

それが「中間内軸(2軸)」を疑似体験した状態で行ったところかなり驚かれていました。

非常にスムーズで行いやすいとのこと。

実際にそのプレイを見ていた感想としては「中間内軸(2軸)」を疑似体験して行った方が明確にフォームがキレイであり、安定性もあるのを感じました。まさに▲の動画のイングランドの選手のプレイに近いものです。

こうしたことからラグビーでのパントキックの技術的な支持軸は「中間内軸(2軸)」ということがわかります。

このプレイの印象の違いはあくまでも活用する支持軸の違いのみによって表れました。

そもそも僕自身、ラグビーを全く知らないですし、「パントキック」もツイートがきっかけで知ったようなニワカもニワカです。当然、パントキックを実際にしたこともありませんし、技術的な知識も持っていません。むしろ、その場でクライアントさんに何故「パントキック」はキックする方向に初めから身体を向けないかを教えていただきました。

但し、職業柄動作の質については多少見抜ける部分があるのでイングランドの選手と日本の選手の活用している支持軸の違いに気がつくことができたことと、誰もが4つの支持軸を疑似体験してもらえるテクニックは開発していたのでそれを活用して体験してもらっただけです。

支持軸のミスマッチでつまづいている

実は、こうしたことは今回のラグビーの「パントキック」だけに当てはまるものではありません。「4つの支持軸タイプ」の疑似体験テクニックを活用すると、様々なスポーツ、ダンス、武道で課題であった技術がその場でできるようになります。

例えば▼のマイク・タイソンのボディへのフック。

マイク・タイソンの身体使いは小指側の「外側軸(4軸)」です。

ここに乗ってフックを打つと途端に体重の乗ったパンチになります。

他の3つの支持軸では威力が全くでないのです。

でも、適切に「外側軸(4軸)」が使えるならば、ボクシングなどの格闘技未経験の方でも一見素人パンチに見えますが、その印象に反してかなり重いパンチになります。

技術以前に体重を足裏のどこの部位で支えるかが重要ということになります(実際には全身をまとめて使うことが「支持軸」を形成する条件になります)。

こうした「4つの支持軸タイプ」で日本を見渡すと、支持軸のミスマッチによってつまづいているケースが多々見受けられます。

西洋由来のスポーツ、ダンスは大抵が「中間内軸(2軸)」「中間外軸(3軸)」「外側軸(4軸)」です。それに対して日本の文化的な身体使いは「内側軸(1軸)」であるので大抵は支持軸は一致しません。

日本ではこのミスマッチを克服する為に練習量を増やしたり、創意工夫で克服しようとするわけです。

ですが、効率性という視点で考えるとかなり効率は悪い状況です。

この「4つの支持軸タイプ」を使うと練習せずともできてしまうわけですから。。。

終わりに

日本人の文化的な身体使いである「内側軸(1軸)」は基本的に中心軸感覚を芽生えさせます。

そして、日本では「中心軸」がスポーツやダンスのパフォーマンスを高めると信じられていますが実際にはその中心軸があるからこそ西洋由来のスポーツ、ダンスが苦手だったりするのです。

自身のタイプと競技や競技技術の支持軸が一致するとその競技や技術の習得が非常に楽になります。

日本人にスポーツやダンスにて必要なことはまずは「中心軸の呪い」を解除です。

そして、その解除方法がそのスポーツやダンスに一致した「支持軸」を身につけることになります。

非常に残念なことですが日本人は「内側軸(1軸)」タイプですがこの「内側軸(1軸)」も実際には身につけていません。なので「内側軸(1軸)」タイプのスポーツやダンスも不得意です。

これは急激な明治以降の西洋化が原因だと個人的には考えています。

「4つの支持軸タイプ」のトレーニング方法についてはロルフィング®︎個人セッションでお伝えしています。

また、2019年12月21日、22日開催の軸トレーニングWS「重心コントロール」はこの「4つの支持軸タイプ」がテーマとなっているのでご興味ある方は是非WSにご参加下さい。

WSの詳細は▼リンク先をご確認下さい。

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