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術理「領域展開」:意識を操作して相手に影響を与える

2023年4月1日(土)にサンクチュアリ出版社様からのご依頼によりイベントを開催します(今回で2回目)。

今回の記事で触れている『意識操作理論』による術理「領域展開」についてのワークやトレーニングをご紹介予定ですのでご興味ある方はリンク先をご確認下さい。

イベント|サンクチュアリ出版
サンクチュアリ出版のイベントページ

はじめに

人間同士は直接触れ合わなくともお互いに影響を与え合っています。

この影響を意図的に扱うのが直接触れずに行う「遠隔の施術」や武術における「間合い」です。

これまでヒーリングの遠隔施術を学んだり、自分自身で遠隔系の施術を開発して普段のセッションで使用していましたが最近別の技法を開発しました。

その技術は、某有名漫画に登場する技の名前を借用させてもらい術理「領域展開」と呼んでいます。

弱体化させる

この術理「領域展開」は特徴的な所作を行うことによって、自分自身の「間合い」を形成し、自分の有利な状況を作ってしまう技法です。

この「間合い」を形成すると前方の相手を「弱体化」させることができるようになります。

この「弱体化」についてですが具体的には

・反応を遅らせる
・力を入れられないようにする
・腰を引かせる

などの現象を生じさせます。

これは武術や施術を行う上で非常に重要な現象です。

間合い

以前、合気道や捌き系の空手を学んでいた時期があります。この2つに共通しているのは相手の側面に入って相手を制圧する型がある点です。

前者では「入り身」、後者では「捌き」と呼んでいます。

ですが学んでいる当時は全くこの型通りの技を実践で使うことができませんでした。

どうしても側面に入る際に「一歩」足りないのです。また、相手に簡単に反応されて側面に入ることができませんでした。

結局当時は全くこの入り身や捌きを使うことができずにいたのですが、術理「領域展開」を行うとあれだけ足りなかった「一歩」が簡単に入れるようになります。また、不思議なことに相手がこちらに反応できなくなるのです。

そしてこの時に自分の周囲に特別な空間ができる感覚があります。

初めてこの空間を体感した時、

『そうか、これが間合いか‼︎』

と直感しました。

確かにこの「間合い」が展開されると格闘技的に相手を対面しても相手の圧迫感がなくなり、むしろ安心して相手に近寄れる感覚が生じます。

この「間合い」がないと相手の側面に入ることは不可能であること、「間合い」の領域を前提にして合気道や捌き系の空手は成り立っていることを理解しました。

反応できる

この「間合い」が展開していると不思議なことに相手の動きや意図が感知しやすくなります。

「手押し相撲」という遊びで表現すると、相手がこちらの手を押そうとするタイミングがわかるのです。タイミングがわかるので相手の手のひらをかわすことも、タイミングよく相手の手のひらに合わせることもしやすくなります。

遊びで空手の組手のようなことを行うと相手が突く意図がわかるので、相手が突く前にその拳を抑えることができます。また、相手が突いてきた拳や腕を掴むこともまがりにもできてしまいます。

武術的には前者を「先の先」、後者を「後の先」と呼べるかと思います。

合気道開祖の植芝盛平翁がプロボクサーのパンチを掴んでしまったという逸話があるのですが、なるほどこうした「間合い」を自由に扱うことができればそうした芸当も当たり前のようにできたのかもしれないと思いました。

意識のバランスを崩す

色々と検証していくと色々と見えてきます。その1つが、

意識のバランス

です。

人間はお互いに意識的にもバランスをとっています。

この見えない意識のバランスを崩すと意外と脆いものです。

両手首を抑えられた状態で手首を上げる稽古法を「合気上げ」と呼んだりします(流派によって名称は異なる)。

この「合気上げ」を行う際に術理「領域展開」を行い前方もしくは後方に意識を展開させると途端に手首が上げやすくなります。相手が意識のバランスを崩してしまうからです。

これは空手などでデモンストレーションで行うと反応できない突きとなります。

施術への応用

施術の効果を引き出す為に必要なことは相手の防御反応を抑制することです。この防御反応とは手などを触れた際に起こる筋肉の反応のことです。

この防御反応が起こると無意識に施術の効果を刷り込むことができません。

無意識を変えなければ当然、筋肉をゆるませる効果も継続しません。ロルフィングだったら脱力や身体操作の運動学習が上手く行えないことになります。

術理「領域展開」で「間合い」を形成できると受け手側はリラックスしやすくなり、こちらの施術(物理的技法・遠隔的技法ともに)を受けやすくなります。

感情を添加できる

合気道開祖の植芝盛平翁は「愛と和合」を重要視していたようですが、術理「領域展開」には感情を添加することができることがわかってきました。

実は喧嘩などが強い人は無意識的に「間合い」を展開しています。

ですがこうした闘争の為に「間合い」を展開すると眼光が鋭くなり、よく言われる笑っているのに目が笑っていない状態になります。

現在の社会生活を過ごすにはこの目が笑っていない状態というのは避けたいものです。

ふと思いついたのが合気道開祖の教えの「愛と和合」でした。

もしかしたらこうした感情を「領域展開」に添加できるのではないかと試してみたところ上手く行ったのです。

自分の場合、アイドルの推しがいます。天才的な身体操作をしているアイドルさんを身体操作の先生として学ばせていただいているのですが、その中の1人への思いを「領域展開」に添加してみました。

すると空間が透明で圧迫感がなく「間合い」が展開できるようになります。

さらにその状態で相手と対面するとスタスタと安心して相手の前に歩いていけるのです。

でも相手は反応できない。

相手からすると敵意を感じないのに自分のパーソナルスペースに普通に入れてしまい反応もしにくくなる。

通常の場ではなんて事のない感覚ですが、これが闘争的な状況では非常に恐ろしい感覚になります。

これに気がついた時に合気道開祖の植芝盛平翁の怖さを実感しました😅

誰でもできる

術理「領域展開」は最終的には意識操作のみで発動することを目指しますが、導入段階手順である特定の所作を使えば誰もがその場で体感できるものです。

こうした目に見えない不思議な現象について「誰でもその場でできる」というと色々と意見をもらうことがあります。

その中の1つが、

「そんな簡単なものではない」

という内容です。

でも実はこの発言者は勘違いしているんです。

手順を教えれば「間合い」などその場で誰でもが体感できるようになりますが、この技法を発見・開発するまでには20年以上の歳月と労力とお金を投資してきたという事実を見過ごしているわけです。

元々、自分には身体操作の才能はないので練習や稽古で上達することを諦めた経緯があります。

そのかわりに誰もが確実に上達できる再現性のあるメソッドを開発することに決めました。

誰もが確実に上達できる再現性のあるメソッドならば才能の無い自分も確実に身につけることができると考えた為です。

こうした流れで発見・開発したのが術理「領域展開」になります。

技化する必要

こうした意識の反応を理解すると人間同士の対応が変わっていきます。

術理「領域展開」を毎日少しづつでもトレーニングしていくとその能力を高めることができるようです。

自身の競技に応用させるには「技化」させる必要があり、実際に自由自在に使えるようになるにはそれ相応の時間と労力が必要になるかと思います(これはウェイトトレーニングと同じですね)。

ですが目に見えない「間合い」といった意識系が認識しやすくなるので、武術や施術だけでなくスポーツ、ダンス、音楽などの分野においても新たな一面に気づける可能性を高めるのでは無いかと個人的には思います。

終わりに

今回ご紹介した術理「領域展開」を初めとした「意識操作理論」の探求も継続的に行っています。

質の高い身体操作は意識を操作することが重要になってきますが、この「意識」がわかると他者にその身体操作の「意識」を転写させることで、それまでできなかった身体操作をできるようにすることができてしまうという事例が現れています。

逆に言えば、今回ご紹介した術理「領域展開」などを使うことによって相手の意識を乱すことで相手の能力を低下させたり、改変することが可能ということになります。

現在は『4つの支持軸理論』に加えて『意識操作理論』の両輪でセッションを考案・実施しています。

まだ、「意識」を可視化することは現代の科学では難しいですが、再現性のある現象を起こす方法は色々と見つかっています。

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