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4つの支持軸のチェック方法

はじめに

「ロルフィングのたちばな」では「4つの支持軸理論」を提唱しています。

「4つの支持軸理論」とは人間には脳神経系的な4つのパターンがあり、そうした観点で個人や人種、文化、スポーツ・ダンスなどの動作の特徴を説明するものです。

発見した経緯からこれらのパターンを「支持軸」と呼んでいます。

4つの支持軸は下記の通りです。

⚫︎1軸:内側軸▶︎日本人に多い
⚫︎2軸:中間内軸▶︎多くの白人、アジア人に多い
⚫︎3軸:中間外軸▶︎ラテン系
⚫︎4軸:外側軸▶︎黒人に多い

特定の支持軸を身体に通している割合でその国や地方がどの支持軸文化なのかを言うことができます。

例えば、日本で多い支持軸のタイプは下記の通りです。

日本人の支持軸の多い順位

内側軸(1軸)

中間外軸(3軸)

中間内軸(2軸)、外側軸(4軸)

これまで個人セッションやセミナー等で支持軸のタイプチェックを行ってきましたが、その割合として圧倒的に多いのは1軸であり、その次に3軸、2軸と4軸はかなりレアです。

アフリカの国々などでは4軸が圧倒的に多く、ヨーロッパやアジアの国々は2軸が圧倒的に多いと推測されます。

3軸は大雑把にラテン系の文化圏。クライアントさんの情報ではプエルトリコ、ベネズエラにて多いようです。

「4つの支持軸理論」が役立つのはスポーツやダンス、武術などにおいてです。

支持軸を一致させる重要性

支持軸タイプは個人だけでなく、スポーツやダンスなどのスタイルにも存在します。

つまりは、個人の支持軸タイプとスポーツやダンスのスタイルの支持軸タイプを一致させることによって上達が効率的に行えます。

逆に、一致していない場合には習得するのに多くの時間と労力が必要となります。最悪の場合には全く上達できないことになるのも珍しくありません。

ダンスは非常にこのあたりが明確です。

例えば日本人が苦手とするダンスのジャンルとしてストリートダンスが挙げられます。

ストリートダンスはアメリカ発祥のダンスジャンルの総称でヒップホップ、ロッキング、ポッピング、ハウス、アニメーションなど多くのジャンルがあります。

ストリートダンスではダウンとアップのリズムをはじめに学びますが、この基本のリズム取りが多くの日本人はできないのです。

理由としては多くの日本人が1軸だからです。

1軸は体幹をダイナミックに使うのが苦手です。

逆にストリートダンスが必要とする支持軸である4軸は体幹をダイナミックに使うのが得意です。

このミスマッチによって日本人はストリートダンスがなかなか上達できません。

ですが、1軸では苦戦していた同じ人物でも支持軸を4軸に変換するとあっけなくダウン・アップのリズムだけでなく、ストリートダンスに必要なムーブ(動き)ができるようになってしまうと言うことが起こります。

音楽の聞こえ方も変わる

不思議なことに支持軸によって音楽の聞こえ方も変わります。

ストリートダンスに使われる音楽を4軸で聞くと非常にテンションが高まります。逆に日本の伝統的な音楽はやはり1軸で聞くことでテンションが高まります。

その音楽が産まれた文化圏の支持軸を通すことによって、その文化圏の音楽を最高に楽しむことができるのです。

ちなみにロックなどは2軸です。

基本のタイプチェック

「4つの支持軸理論」を生かす為にはまず自分自身の支持軸を知る必要があります。

支持軸のタイプチェックは、各支持軸の特徴を利用して判断することができます。これらの特徴は多くありますが、下記のような姿勢や動作を行うことで身体が機能します。

1軸:股間節からお辞儀をする
2軸:みぞおちから上体を捻る
3軸:胸を張る
4軸:横方向に押す

こうした特徴的な姿勢や動作でパートナーを押すとその個人の支持軸と特徴が一致した姿勢や動作の場合だけ容易に相手を押すことができます。

一致しない場合には面白いほど力が出ませんし、相手に抵抗されてしまいます💦

応用的タイプチェック

マウスポジション

特有の口の形によって筋力が発揮し易い状態になる(「実」の状態)特徴を利用したタイプチェック方法です。

支持軸に適した口の形をすることによって浸透するような力を発揮することが可能です。

機能的肩甲骨ポジション(旧:機能的立甲ポジション)

各支持軸には、体幹と腕がつながる特有の位置がありその特徴を利用します。

ちなみに、日本では肋骨と肩甲骨を分離することが重視されていますが、これはあくまでも日本人に多い「内側軸(1軸)」に限定されたものです。

1軸以外の支持軸で肋骨と肩甲骨を分離した使い方をすると全く力が入らなくなります。2〜4軸は肋骨と肩甲骨を連結する必要があります。

1軸の機能的肩甲骨ポジションの一例としては▼の動画のパフォーマンス(肘で相手を崩す)で見られます。

この1軸の機能的肩甲骨ポジションを「肩関節の抜きポジション(表)」と「ロルフィングのたちばな」では呼んでいます。

この動画では感覚的に肩を抜いているケースなので、いきなりできるものではありません。

実際にはタイプチェックや軸トレーニング等で指導する際は誰でもできる手順(型)がありますのでそれを用います。

これは1軸だけに限定されたものではなく支持軸にはそれぞれ4種類の型(「機能的肩甲骨ポジションの型」と呼びます)があります。

セルフ・チェック

多少の経験が必要ですが個人でもタイプチェックを行えます。

統合・分散方向の動き

奇数軸と偶数軸を大まかに分けるチェック方法です。

奇数軸と偶数軸では身体がまとまる方向の動きと分散する方向の動きがあります。

例えば、奇数軸の場合に左膝で時計の針が動く方向に向かって円を描くと身体がまとまります(統合方向)。

逆に時計の針とは逆に円を描くと途端に体勢が崩れてしまいバランスを取りづらくなります(分散方向)。

偶数軸の場合にはこの逆になります。

こうした身体の反応を利用することで奇数軸・偶数軸といった大まかなタイプチェックが行えます。

身体ゆらし

身体を左右にゆらした場合に各支持軸によって動きの起点や身体のゆれ方が変わります。

各支持軸の特徴は▼の通りです。

❶内側軸(1軸):股関節を起点として動かし易く、左右のゆれ幅が最も小さい。
❷中間内軸(2軸):みぞおちを起点として動かし易く、下半身がゆらし易い。
❸中間外軸(3軸):首を起点として動かし易く、首から下がゆらし易い。
❹外側軸(4軸):頭頂部を起点として動かし易く、左右のゆれ幅が最も大きい。

慣れてくると身体をゆらした感覚やその姿を見るだけで、どの支持軸が身体に通っているかを推測することが可能になってきます。

機能的骨盤ポジション(旧:機能的股関節ポジション)

各支持軸の全身連動の特徴が見られる身体のポジションです。支持軸ごとに4種類存在します。

このポジションを取ると各支持軸に適さない骨盤の動きにロックがかかり、動かしにくくなります。

この特徴を利用してタイプチェックを行います。

セルフで行う場合には最も信頼性の高いやり方です。

終わりに

「4つの支持軸理論」を生かすにはまず自分がどの支持軸を身体に通しているかを知ることが最優先となります。

セルフでも高精度にタイプチェックすることができるようになったことにより、その場で恒久的に支持軸を自由に変換する「支持軸変換ポイント」の発見につながっています。

各支持軸の特徴がわかることによって、タイプチェックも容易になりますし、最も機能を発揮させる身体の使い方も自然にわかるようになりますね。

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