ロルフィングとは10回の施術で全身を整えるアメリカで開発された整体(ボディワーク)です。

西洋で有効なトレーニングが、日本人にはマイナスに働くことがある

Twitterで胸郭や胸椎周辺のエクササイズをまとめたもの(モーメント?)が回ってきました▼。

これを見てもらうとほとんどが4つの支持軸の1つである「中間内軸(2軸)」的な発想で組み立てられています。

「中間内軸(2軸)」は白人や日本を除く多くのアジアでの軸感覚です。

特徴としては「アイソレーション(分割)」。

つまりは要素を取り出して行うという「要素(還元)主義」的なものです。

誤解を恐れずに言えば

『部分(要素)を集めると全体になる』

という考え方です。

この対義語が「関係主義(全体主義)」というものです。
※個人的には「統合主義」という呼び方をしています。

こちらは、

『部分(要素)の集合は全体ではない』

という考え方です。

このあたりは様々な分野で問題視されていますがなかなか「要素主義」から脱することはできていません。

それは「要素主義」の長所の為です。

「要素主義」の長所はなんと言っても『わかりやすい』という点につきます。

部分として切り取ると知識としては理解がしやすいわけです。

身体動作に関しても同様で身体で習得していなくとも「知識」を持つことでできたような錯覚に陥いることができるわけです。

西洋由来のトレーニング方法の多くは「要素主義」的なものです。

何故かと言えば西洋(白人文化)は「中間内軸(2軸):下半身主体」だからです。

白人文化の民族舞踊を調べてみると明確ですが、大抵上半身を一直線にしてステップを基調にしたダンスがほとんどです。

つまり、下半身を土台として巧みに使う身体文化ということになります。下半身が土台だと自然に下半身と上半身のつながりができやすくなります。

なので例え「要素主義」のトレーニングでも白人文化では、結果的に全身を「統合」させて実施できるのです。

日本を除いた多くのアジアの文化では白人文化と同じ「中間内軸(2軸)」に当てはまりますがこちらは上半身主体になります。

その為に、白人の身体文化である下半身主体と比較すると、上半身と下半身が分離して統合がなくなり易い特徴があります。

こうしたことからアジアでは「統合主義」的思想が浸透していると考えられます。これは必要性から産まれたのだと推定できます。

ここで重要なことは、白人の「中間内軸(2軸):下半身主体」の軸感覚では例え要素主義的トレーニングであっても自然に統合して実施できるということです。

逆に言えば、白人文化以外では「統合」という視点が無いとこうしたトレーニングは上手く機能しないということです。

但し、ラテン系の身体文化である「中間外軸(3軸)」、黒人の身体文化である「外側軸(4軸)」では日常の動き自体が全身を「統合」させやすいのであまり問題化はしません。

ですが日本人の身体文化である「内側軸(1軸)」だと弊害がかなり多くなります。

そもそもの前提として日本人の「内側軸(1軸)」を機能させるには「末端主導体幹操作」という手や足と言った末端部分で体幹を受動的に操作するという身体の使い方が要求されます。これは脳のプログラム的にそのような反応になっています。

「末端主導体幹操作」とは四肢と体幹が密接に連動した関係で成り立った動作です。

この「内側軸(1軸)」で要素主義的なトレーニングを行うとこの四肢と体幹の関係が完全に崩れてしまうのです。

ここで上記で紹介したモーメントからいくつか見てみたいと思います。

▼のエクササイズは要素主義の代表というぐらいわかりやすいです。下半身と上半身の関係性がかなり低いのがわかると思います。恩恵があるのは白人文化の「中間内軸(2軸):下半身主体」のみでしょう。

▼はダンスで言うところの「アイソレーション」そのままです。

上半身と下半身の関係性が切れているのが見て取れます。この対比として「インターロック・エクササイズ(「中間外軸(3軸)」タイプ)」がありますが、この両者を比較してみると色々と気がつく点があるかと思います。

▼は今回のモーメントの中で唯一「統合主義」的なトレーニングになります。但し、「4つの支持軸」それぞれで意識するポイントが変わってきます。

①内側軸(1軸):手から動かす。体幹は受動的に手の動きに追尾する。
②中間内軸(2軸):体幹の捻りを意識。
③中間外軸(3軸):胸の伸展を意識。
④外側軸(4軸):左右の足への重心移動を意識。

最後に「内側軸(1軸)」の日本人に適した胸椎・胸郭のトレーニングとしては▼のようなものがあります。

実際にはこれは「末端主導体幹操作」を利用した「突き」ですが、このように手を主導として受動的に胸椎が回旋させることによって「内側軸(1軸)」の場合には胸椎の可動域が自然に広がり、脊柱が使えるようになります

動画をみていただくと手と全身が関係している(統合)ので、拳に重心移動による運動量が伝わり重い突きになっています。

実は日本のラジオ体操▼は運動構造的に「末端主導体幹操作」なのです。

向かって左の緑色の子(緑の天才さん)のように手に体幹が自然に引っ張られるような動き(「末端主導体幹操作」)が可能であればラジオ体操の方が上記のエクササイズよりも有効だと考えられます。

「4つの支持軸」と「運動構造」で考えると実は日本人にとってラジオ体操は思っている以上に効果的なエクササイズになるわけです。

逆に日本人以外にはあまり有効ではないでしょう‼︎

これは同じ論理が日本人にも適用されるわけで、白人文化で有効なエクササイズが日本人にとって必ずしも有効とは限らないということです。

でも要素主義的なものは知識的に意味がありそうな感じがする罠にハマりやすいのです。

重要なことなので最後にまとめますが、白人の軸感覚である「中間内軸(2軸):下半身主体」の場合は「要素主義」のトレーニングでも統合した状態でエクササイズが行えるので問題ありません。

でも同じ「中間内軸(2軸)」でも上半身主体だったり、他の支持軸を使う身体文化圏では全身を統合させてエクササイズすることは支持軸の脳神経プログラム的に難しいので、この辺りを適切に考えないとせっかくのエクササイズが無駄どころかマイナスの効果を産むことになります。

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