はじめに
先日の軸トレーニング研究会クラス(旧:練習会クラス)にて「合気」について大きな発見がいくつかありました。
その一つが「合気モード」を身につける施術テクニックの開発です。
軸トレーニング研究会クラスでは「橈骨・尺骨の抜きポジション」をセッティングすると「合気モード」に入れることがわかり、このセッティングを動作トレーニングに活用したとこと参加者全員が「合気モード」に入ることができました。
技術云々関係無く、何をしても相手の手がこちらに吸い付く感じになり相手を自由自在に操れます。
そこでふと思いついたのが、
『この「橈骨と尺骨のセッティング」を施術に応用してみたら効果はあるのだろうか?』
ということでした。
そこで早速参加者の方々に試させていただきました。
結果、劇的に「合気モード」が強化されることがわかりました。
エクササイズでなくとも「合気モード」に入れるわけです。
関節リリースとの組み合わせ
施術方法は、ロルフィング®︎の個人セッションで活用していた「関節リリース」に「橈骨・尺骨のセッティング」を加えたものです。
関節リリースは関節の機械受容器の神経生理学的反応を利用して筋肉をゆるめるテクニックになります。
ちなみに、関節モビライゼーションのように関節を動かすことは基本的にはしません。
これまで身体教育の視点を持ってロルフィング®︎を研鑽してきたからこそ産まれたテクニックですね。
関節リリースは元々ロルフィング®︎の技術にはありませんでした。僕がロルフィング®︎を行うにあたってより効果を高めたいと試行錯誤して開発したテクニックになります。
シナジー・テクニックを組み合わせるとより効果が高くなる
効果があることがわかってから2つのパターンでも試してみました。
⚫︎「橈骨と尺骨のセッティング」のみ
⚫︎シナジー・テクニックを組み合わせる
やはりシナジー・テクニックを併用した方が効果は高いようです。
シナジー・テクニックを使わないと施し手の骨の感触がよくわかります。橈骨から肩甲骨のつながりがわかるのです。
この感触だけでもかなり驚いたものだったのですが、シナジー・テクニックを活用すると更なる驚きました。
合気の受けた時の感触ですが、シナジー・テクニックを併用した場合、施し手の身体の感触が極めて希薄になり本当に何をされているのかが全くわからなくなります。
存在感がなくなるのです。
ロルフィング®︎で試してみた
早速、ロルフィング®︎で数名のクライアントさんに試して見ました。
合気道や合気柔術、合気上げ、座技呼吸法など全く知らないクライアントさん数名に手への施術をじっくり行い、合気上げで確認してみました。
するとこちらがクライアントさんの手首を掴んだ瞬間にもう合気がかかってしまいます。
この状態で前腕を適当に動かしてもらうようにしたところ重心が上に持ち上げられ、カカトを浮かされます。
クライアントさん自身、合気上げなど全く知りませんから「ポカン」とされています。でもこちらとしてはカカトを浮かされて本当に危ない体勢(^^;;
クライアントさんの手首を支えにしてやっと立つことできていますからちょっとした手首の操作でこちらは簡単に転ばされてしまうのです。
そうなると大変なのでゆっくり手首を下ろしてもらいやっと手首を離すことができました。
誰でも「合気」は身につけられる
結局、「合気」が使えるということは指先から全身がつながりを作ることと同義です。
ロルフィング®︎では別に「合気」を身につけることは通常は意図しませんが、ロルフィング®︎によって「合気」をかけることができるということはそれだけ身体のつながりが強化されるということです。
逆に言えば、身体がつながっているかの評価としてどのレベルの「合気」が使えるか、「合気モード」になっているかで確認ができるということになります。
まだ、合気が勝手に発動する「合気モード」に入る為のセッティングを発見してから数日しか経過していないのですが合気道や合気柔術を経験されている方にとっては信じられない現象が起きています。
終わりに
大学時代に天才と呼ばれる人たちの身体使いを身につけるヒントにならないかと考え「合気」に関心を持ちました。
合気道の稽古をして、関連書籍を読み漁りました。
でも結局は何も掴むことができずに20年以上経過した今やっと「合気」という現象が見えてきました。
この20年の中で合気を使える方から合気をかけられる経験はしていますが、誰も「合気」を身につける方法は教えてはもらえませんでした。
理由は明確です。
専門が違うのです。
「合気」が使えるのとそれが伝えられることは全く異なるスキルが必要となります。
僕自身、「合気」をスポーツやダンスのパフォーマンス向上させる目的で探求してきました。
僕自身があるレベルの「合気」を習得できることは最低条件ではありますが、1番の目的は誰でも「合気」を習得できるメソッドを開発することです。
これはこの20年間ブレていません。
そして、施術を通して「合気」をかけられる身体「合気モード」を体験させることができたことはかなりの前進となります。
ロルフィング®︎には「合気」のような認識は元々ありませんが、ロルフィング®︎の思想的には「合気」は必須のように感じています。
今後も色々と検証していき新しい知見がわかってくると思いますのでその成果は随時ロルフィング®︎やセミナー、WSで還元していきたいと思います。
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