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軸の正体シリーズ③:中間内軸(2軸):ネイマール

はじめに

「ロルフィング®︎のたちばな」では軸を4つに分類して現在考えています。

⚫︎内側軸:1軸
⚫︎中間内軸:2軸
⚫︎中間外軸:3軸
⚫︎外側軸:4軸

今回のテーマは「中間内軸(2軸)」です。

「中間内軸」はカカトから足の人差指・中指の間にかけての部位を体重を支える点(支持点)として主に使う軸になります。

▼赤矢印が「中間内軸」

この「中間内軸」は白人文化、アジア文化で多く見られます。

中間内軸の特徴

⚫︎肋骨と骨盤を分けて動かす動き(アイソレーション)がしやすい
⚫︎みぞおち(大腰筋の付着部位)から下を動かしやすい
⚫︎ステップや蹴りがしやすい
⚫︎その場でのターンがしやすい
⚫︎上体は基本的にあまり動かさない(動かす必要性がない)

「中間内軸」の特徴はなんといっても“みぞおち”から下の部位を使いやすいという点です。

これは「中間内軸」の足のラインである足の人差指と中指の間を主に体重を支える点(支持点)として使う為に体の中心からの移動距離が短いことが影響しています。

「内側軸」では親指の母指球で支持点を使いやすいので股関節から先しか動かしにくかったのですが「中間内軸」ではそれよりも一段階外側で支持点を使いやすいので“みぞおち”から下が動かしやすくなっています。

「中間内軸」ポジションで身体をゆすってみると“みぞおち”から下がゆすりやすいのです。

結果として、このことが肋骨と骨盤を分割して使うアイソレーションがしやすくなっており、「中間内軸」タイプの民族舞踊では頭部や肋骨、骨盤のアイソレーションが含まれるものが多くなっています。

また、みぞおちから下の部位が動かしやすいのでステップや蹴り技がしやすいという特徴があります。これも民族舞踊を見るとわかりやすいです。

そして、肋骨と骨盤を分けて使えるので白人文化ではみぞおちから上方向にラインを通して上体を極力動かさないという独特な特徴が顕著に見られます。

ダンス

ステップ系
⚫︎アイリッシュ・ダンス
⚫︎タップダンス

▼アイリッシュ・ダンスは「中間内軸」タイプの身体の使い方が非常にわかりやすいです。白人文化の民族舞踊を見るとその多くが上体を立てて(みぞおちから頭部にラインを通す)、ステップを踏むものが多い印象があります。

完売伝説再び!トリニティ・アイリッシュ・ダンス公演の模様をご紹介!

アイソレーション系
⚫︎ベリーダンス
⚫︎フラダンス
⚫︎インド舞踊
⚫︎タイ舞踊

▼どこの国のダンスかは不明ですが肋骨を動かさないのがわかりやすいですね。ダンスを見慣れていないと一見ストリートダンス(外側軸)と似ているように感じる方がおられるかもしれませんが、これは運動構造的に別のものと捉えることが重要です。

その他
⚫︎競技ダンス・スタンダード
⚫︎バレエ
⚫︎フラメンコ
⚫︎中国舞踊

「中間内軸」はその場でのターンがしやすくなります。なので「中間内軸」タイプの文化での民族舞踊ではその場でのターンを多用しているように感じます。

ネイマール

ネイマールのプレイは、全般的に『脚技』というキャッチフレーズを当てはめたいと思うほどに脚しか使っていない印象です。

▼の動画を見ると典型的ですが“みぞおち”から骨盤を左右に振って相手を抜いています。これはまさに「中間内軸」タイプの動きです。

「中間内軸」は“みぞおち”から骨盤、脚をコントロールする動きになります。サッカーのリフティングを行う場合に4つの軸タイプの中で一番しやすいのがこの「中間内軸」です。

「外側軸(4軸)」だと全身で、「中間外軸(3軸)」だと頭部から下で、「内側軸(1軸)」だと股関節で脚をコントロールするので上半身が関与したり、逆に股関節から先のみで行わなければいけないのでそれぞれに難しさがあります。

それが「中間内軸(2軸)」だと良い意味で上肢と下肢が分離できるので上半身を全く無視して行えるのがメリットです。

実際にリフティングのような動きを各軸のポジションを疑似体験して行う(特殊なテクニックを用います)と「中間内軸(2軸)」が一番やり易いのを実感できます。

終わりに

今回で4つの軸の中の3つ目まで紹介できました。

「内側軸(1軸)」と「外側軸(4軸)」は一番はじめに気がつきました。この2つは真逆のような大きな違いがあるのでその特徴を理解するには非常にわかりやすかったのですが、その後に発見した「中間内軸(2軸)」「中間外軸(3軸)」は一体どのような特徴があるのか全く不明でした。

それが月4回ペースで開催している「軸トレーニング研究会クラス(略称:研究会クラス)」で各軸のポジションを疑似体験した状態で身体をゆらしてみると参加者の方から

「中間内軸(2軸)」は骨盤がゆらし易い
「中間外軸(3軸)」は全身がゆらし易い

との感想をもらいました。

これが「中間内軸」「中間外軸」の特徴を発見するきっかけとなりました。

元々個人的にはダンスに関心があったので、上記の感想からダンスを眺めて観ると「内側軸」「外側軸」の観点では分析できなかったジャンルのものの運動構造が明確に把握できるようになりました。

さらにそのダンス的な視点でサッカーのトッププレイヤーの動画を見てみると、何故そのような動きをするのかが明確にわかってしまったのです。

検証方法としてはそのプレイヤーが持っている「軸」を疑似体験した状態になり、同じようなプレイを行うことです。

するとそのプレイヤーの軸タイプと疑似体験した軸が一致していた場合にはものの見事にそのプレイがしやすくなります。

逆に、一致していないととてもできたものではありません。非常に不快な感覚になります(^^;;

そして、その不快な感覚には既視感があるわけです。

そう、これまで取り組んできたスポーツの技術練習で感じてきたあの不快でぎこちない感覚です。

つまり、自分が身につけている軸タイプとその競技が必要とする軸タイプが一致していない場合にこうした不快感やぎこちなさが発生します

逆に言えば、軸タイプが一致していると思っている以上にその技術の習得がスムーズにそして快適に進むのです。

軸のタイプというのは簡単に言っても4つあります。

①自分自信が身につけている軸タイプ
②所属している民族が得意な軸タイプ
③学ぼうとしている競技・種目の大まかな軸タイプ
④学ばうとしている競技・種目の各技術に存在する軸タイプ

④は例外的なものですが、①〜③までが一致していない場合にはその個人は最大のパフォーマンスは発揮できないと考えられます。

こうした論理がわかってくるとまずは習得しようとする技術(動作)の軸タイプと自身の軸タイプを一致させることが上達を早めるのに必要ということがわかってきます。

一番の問題点なのですが日本人の軸タイプである「内側軸(1軸)」は他の3つの軸タイプと比較して全く西洋由来のスポーツ、ダンスに適していないのです(>_<)

人口比から考えても日本はスポーツ、ダンスが強くない、上手くない理由の1つは実はこの「内側軸(1軸)」タイプというのがあるのではないかと個人的に考えています。

『フィジカルの強さ』という点が日本人に足りないと分析されることがありますが4つの軸タイプがわかってくるとこの『フィジカルの強さ』自体も軸タイプの特徴ということがわかってくるのです。

こうした問題点がわかればあとは克服は簡単です。4つの軸タイプに習熟すればよいのです。

理想的には4つの軸に習熟して、最後に自身の所属する民族が得意な軸タイプで勝負するということです。

長くなるのでひとまず本記事はこれで終わりにしたいと思います。

次回はシリーズの最後の「中間外軸(3軸)」です。

あと10月に開催予定でした各イベントですが台風により12月に延期することとなりました。それに伴い開催日まで再度受講者の募集を開始します。

軸トレーニングWS「重心コントロール」:基礎&応用では4つの軸タイプをテーマとするので本記事を読んで少しでも興味がある方は是非ご参加下さい。

詳細は▼のリンク先よりご確認下さい。近日中に再募集の告知を載せます。

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