ロルフィングとは10回の施術で全身を整えるアメリカで開発された整体(ボディワーク)です。

助走をつけると威力が弱くなる

はじめに

前回の記事(▼リンク先)では「内側軸」「外側軸」について簡単に説明しました。

今回の記事では、多くのスポーツで重要になる「外側軸」について一歩踏み込んでいきたいと思います。

「内側軸」と「外側軸」の特徴を整理すると、

内側軸

⚫︎カカトから母指球にかけてのライン上に形成される「軸」
⚫︎母指球の方向へ重心移動しやすくなる
⚫︎体幹の前後の動き(矢状面)で重要
⚫︎重要になる種目
・伝統派空手
・合気道
・剣道
・日本剣術
・日本舞踊
・能
・阿波踊り
・日本の短距離選手
※中心軸、正中面などを重視する種目

外側軸

⚫︎カカトから小指球にかけてのラインに形成される「軸」
⚫︎小指球の方向へ重心移動しやすくなる
⚫︎体幹が自然に稼働するようになる
⚫︎体幹の側屈、回旋の動き(前額面、水平面)で重要
⚫︎重要になる種目
・野球
・ゴルフ
・サッカー
・バスケットボール
・ボクシング
・フルコンタクト空手
・ストリートダンス
・バレエ
・フラダンス
・西洋の短距離選手
※体幹の可動性やサイドのフットワークがある種目

上記の「重要になる種目」は一般論です。前回の記事で記したように「外側軸」優位だと考えられるサッカーでも「内側軸」優位の身体運用でトップレベルの選手がいます。

外側軸は側屈、回旋の動作で重要度が増す

▼「外側軸」:緑色の線

「外側軸」は足裏の小指の付け根部分(小指球)側で体重を支える身体の使い方です。この「外側軸」が形成されると足の小指側まで重心を移動させることができます。

例えば、わかりやすく母指球で体重を支えていた場合に母指球から小指球にその支える点を移動させたとします。母指球と小指球との距離はほんの数センチですがこのわずかに思える距離によって身体の重心が移動します。

スポーツでこの重心の移動がスムーズに行えると、この重心移動による運動量(質量×速度)が生じ力強いプレイとなります。

側屈系、回旋系の動きを行った場合に人体の構造上「外側軸(小指球)」側に重心や体重の支持点の移動が起こることになるので側屈系、回旋系の動作が関係するスポーツ競技では「外側軸」が重要になるわけです。

助走をつけると逆に威力が弱まる

野球やゴルフなどの回旋系の動作が含まれるスポーツをされている方の感覚だと、母指球から小指球への重心や体重の支持点の移動はふつうに行っていると感じる方が多いと思われます。

でも、「重心移動」「体重の支持点の移動」というのは思っているよりも難しく、意外とできていないものです。

これは、実際に実験してみるとよくわかります。

「パンチの威力」という評価方法で確認するとします。

パンチングミットから少し距離をとって助走をつけたパンチを行います。イメージとしては▼のような感じです。

これが思っているよりも意外と威力がでないのです。

重心移動の運動量(質量×速度)が使えると一見手打ちでも下手な人が助走をつけてパンチするよりも貫通力のあるパンチになります(▼動画参照)。

重心移動を妨げる反応が「居着き」

もちろん、上記の助走をつけたパンチでも「重心移動」「体重の支持点の移動」は起こっています。

ですが、重心や支持点が移動するのと同時にその重心・支持点を元の位置に引き止めようという無意識の筋肉の反応が起こっているのです。

その結果として、重心が後ろに引っ張られながら前に移動するような構造になり結果的に全身の体重がパンチに乗らず、腕だけの体重(質量)しか伝わらず思ったほどの威力にならないということになります。

こうしたことが野球のピッチングやバッティング、ゴルフのヒッティングなどで起こっているのです。

こうした「重心移動」「体重の支持点の移動」を妨げる無意識的な反応を武道・武術では『居着き』と呼び日々の稽古で戒めています。

重心を引き止める成分を如何にゼロに近づけるかが重要

回ってきた▼ツイートに良い画像があったのでお借りして説明します。

▼画像の緑色の線が小指球を通る「外側軸」を表しています。黄色の線は母指球を通る体重の支持線でここに留まろうとする成分が「居着き」です。

画像で見ると、ほんの少しの差ですがピッチングでは大きな運動量(質量×速度)の違いとなります。黄色の線に留まろうとする居着きの成分をゼロにすることによって、自身の持っている潜在能力を発揮できる準備が整います。

この居着きの成分をゼロに近づけると前回の記事で紹介したように後ろから全力で抱えられた状態でも重心移動だけで相手をすっ飛ばすほどの運動量(質量×速度)が発生させることができます。

「外側軸」は体幹を自然に稼働させる

「外側軸」を形成させ重心移動の運動量(質量×速度)を十全に活用できるようになると自然に体幹が稼働されるようになります。

居着きの成分を無くし重心移動ができるということは全身の身体の運動連鎖が上手く機能しているということを指します。

ストリートダンスの多くのジャンルはこの運動構造が非常にわかりやすいです。ストリートダンスの多くは体幹を自由に動かせないと行えないものですが、「外側軸」を擬似的に形成させるテクニックを使うと途端にできてしまいます。

例えば▼動画の向かって左側3名が踊っている動きも「外側軸」を形成させるとしやすくなります(もちろん練習も必要です)。

動画の解像度が低いですがそれでも左側3名の真ん中(希山愛さん)は「外側軸」「内側軸」を交互にシフトさせているのが見えます。

それに比較して、左側3名の両側の2人は中心に重心が制限されているのが見えると思います(「内側軸」「外側軸」共に無い)。

これはダンス以外のスポーツでも同様で、重心がスムーズに移動すれば自然に体幹が使えてきます。

途端に「ゴルフ」らしくなる

ゴルフのスイングも回旋系の動作であり「外側軸」が重要になります。

ゴルフのスイングしても重心移動の制限により中心に身体が残っているとどうしてもゴルフを知らない方から見ても不自然に感じるものです。

先日、時々仕事関係でゴルフなどをする機会がありなかなか上手くできないので運動能力を高めたいという目的でロルフィング®︎10シリーズを受けられていたクライアントさんが10セッション終了しました。

セッションを重ねるにしたがって姿勢や動作が明確に変わっていたのですが、最後の仕上げということで「外側軸」を形成する動作トレーニングを行なってから、ゴルフのスイングをしてもらったところ、かなり大きく変わってしまっていました。

セッションでは基本的にゴルフの技術的な練習のようなことは一切していません。

それが「外側軸」を形成させる動作トレーニングをした後は、専門の練習はしていないのにゴルフらしい動きになったというのは非常に意味のあることだと個人的には考えています。

▼左画像「軸」感覚がないスイング
▼右画像「外側軸」のあるスイング

終わりに

「外側軸」を身につけると途端にスポーツやダンスの習得がしやすくなります。

ですが意図的に「外側軸」を通そうと小指球側に体重を乗せようとしてもマイナスにしかなりません。大抵は重心が身体の中心に引っ張られた居着いた状態になり、足の小指球側の圧だけが多くなるだけです。

「外側軸」だけでありませんが「軸」というのはあくまでも全身がまとまった統合状態を基本とします。

身体の一部分だけ意識した状態は統合状態から大きく逸脱しているわけです。

そこで誰もが「内側軸」「外側軸」を身につけるようにするにはそこに「仕掛け」が必要になります。

その「仕掛け」が「足半草履」だったり、「脛骨の抜きポジション」「腓骨の抜きポジション」というテクニックになります。

ロルフィング®︎の個人セッションや軸トレーニング研究会クラスでは大きな成果がでています。

2019年10月12日、13日開催の軸トレーニングWS「重心コントロール」:基礎・応用の2日間ではこうしたテクニックを用いて「内側軸」「外側軸」を身につけていきます。

スポーツ、ダンス、施術をされている方はこの「軸」を身につけるだけで大きくパフォーマンスは向上しますのでご興味ある方は是非御参加下さい。

詳細は▼リンク先よりご確認下さい。

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