はじめに
スポーツ、ダンス、武術など上達する為のアプローチは大まかに分けて3種類考えられます。
それは、
①練習
②自己の取り組み
③他者からの介入
の3種類です。
誤解を恐れずに言えば①の練習の効果は「慣れる」のみと言って良いと思います。
練習をいくら行っても「慣れる」のみなので才能のある人物との差は埋まりません。
埋まるどころか才能のある天才が同じ時間を練習に費やしたと仮定すると差は広がる一方となります。
最近では①練習以外のアプローチを行われることが増えてきた印象があります。
「ロルフィングのたちばな」では最近、「骨力体トレーニング」「神経リンク」「無軸トレーニン」といったセッション形式(「③他者からの介入する」のカテゴリー)のアプローチ方法を開発してきましたが、その効果に驚くばかりです。
今回のブログではこのあたりを書いていきたいと思います。
3つのアプローチ
①練習
練習とはスポーツやダンス、武術、施術など分野問わずに行われている実際の動作に即した学ぶ方法です(厳密な定義はここでは省略)。
上記でも触れましたが基本的に練習で身につく効果は
「慣れ」
です。これを理解することは上達するにあたって非常に重要です。
練習の効果とは「慣れ」なので一般人がどんなに練習に時間を費やしても天才レベルには到達できません。
これは脳内で思考実験をしてみるとよくわかるかと思います。
肉体的な全盛期が継続すると仮定して100年間一般的な練習を継続したとします。100年経過しても天才レベルには到達していないでしょう。
これはボールを使ってどんなに工夫してもパソコンの機能を持たせることができないのと同じです。
練習によって道具の使い方は多少上達しても道具自身は変わらないからです。
ここで言うところの「道具」とはその人の「身体能力(脳の使い方も含む)」です。
練習ではもともと持っている身体能力を使って身体で表現する方法を学ぶことになります。
「道具」である「身体能力」自体は変わることはありません。
もし練習のみのアプローチで高いパフォーマンスを発揮できるようになった人物がいたとするとその人は「天才」ということになります。
職業訓練
このことを理解しやすいのは職業訓練のアプローチです。
僕自身、IllustratorやPhotoshopなどの画像編集ソフトの操作方法を学ぶ為に職業訓練学校に通った時期があります。
学校では絵の描き方やデッサンの授業がありましたが、まさに練習的アプローチでした。
得意な人物は上手く描けるけども、苦手な人物は授業のみでは全く描けるようにはなりません。これは苦手な人物ができるようなシステムになっていないということです。
そして、苦手な人物を上達させるという想定もしていないようにも感じます。
これは20年前のスポーツ界と同じ状況です。
基本的にその分野が得意な人物がその分野の指導者になる傾向があります。
そう言った指導者の場合の関心が苦手な人物を上達させることには向かないという厳然とした現実が存在します。
こうした状況では苦手な人物が上達するシステムが作られることは論理的に難しいこととなります。
大学受験は誰でも上達できる
自分が知っている分野で誰でも上達できるシステムがある程度できている分野が1つだけ思い当たります。
それは「大学受験」関連です。
大学受験関連の参考書はかなりわかりやすく説明されています。
自身のレベルにあった参考書や予備校・塾などの授業を選択できれば誰でも上達できるようになっています。
自分の経験ですが、数学の基礎が全くなかった大学浪人時代に某参考書を読んでみたところ、東大入試の数学問題が説明を読むと理解できてしまいました。
当然、東大の問題だからといって全て難易度が高い問題というわけではないのですが、当時教科書の基本問題でさえ理解できなかったのに対して、その参考書を読むと理解できてしまったのです。この経験は衝撃的でした(基本的に教科書は大概わかりずらい。勉強ができない理由の大半は教科書と高校の教師にありますね😠)。
これは数学に限らず、英語や生物、物理などにも当てはまります(自分自身が体験したのはこのあたりですがそれ以外の科目も同じだと思います)。
少子化になったとしても、むしろ少子化だからこそ生徒獲得や参考書の売り上げを向上させたいという競争の結果だと思われます。
ちなみに1980年代以前の参考書はかなり不親切なものが多い印象ですのでやはり90年代後半から大学受験参考書は発展してきているように思います。
現在、編入試験対策として鍼灸師の国家試験の専門科目(解剖学、生理学、病理学)勉強をしていますが、大学受験用の参考書がいかにわかりやすかったのか実感として理解できます。
生物などは生理学とかぶる部分があり、大学受験の方が難易度が高い問題(出題範囲)もあったりします。
やはり鍼灸師の国家試験を受ける人数は毎年1万人程度ですから大学受験者と比べると規模が小さく旨みの少ないので参考書の発展はあまりないということですね。
漫画「ドラゴン桜」の世界は存在すると個人的には思います。
②自己の取り組み
このカテゴリーのアプローチは、ウェイトトレーニングや身体操作トレーニング、武術的な術理といったものになります。
つまり自分自身で行うアプローチということです。
ウェイトトレーニングは現在ではトップレベルのスポーツ選手で行っていない選手はいないと言えるほどスポーツ界に広まっています。
30年前ではスポーツの練習のみで必要な筋肉は鍛えられると言われてましたが、現在ではウェイトトレーニングをすることでパフォーマンスが向上し、ケガのリスクも低下させることがわかってきています。
ちなみに、ウェイトトレーニングを行って逆にパフォーマンスが低下したとされる事例もあるかと思います。
ここで注意しなければいけないことは、間違ったやり方でパフォーマンスが低下した事例があることと、ウェイトトレーニング自体そのものが害悪であるというのでは論理として全く異なるということです。
身体操作としては肩甲骨、骨盤、背骨の使い方や細分化、軸のトレーニングなどセルフで行うトレーニングがこのカテゴリーになります。
また、個人的に「術理」と呼んでいる意識操作によって合気道などでは他者を簡単に崩すこともできてしまいます。こういった意識操作による身体操作も含みます。
この「②自己の取り組み」によって練習だけよりも天才に対抗できる希望が見えてきます。
ただし、現実はそれほど甘くありません。
セルフでのトレーニングによる取り組みで成果を上げるには時間がかかるのです。
ここ20年で身体操作系のメソッドが日本では色々と出てきました。
しかし、実際としてどのメソッドも一般人が天才レベルに到達したという事例は聞きません。
もちろん、天才や有名選手が某メソッドをトレーニングに導入したとする事例はあります。
また、一般レベルの人物でもそのメソッドを行うことによって自身の課題の壁を壊せたという人はいるでしょう。
ですが残念ながら才能の振るいに落とされた人物が才能の壁を壊すまでには、まだこの分野は発展していません。
それだけ才能の壁というものは分厚く、高いものなのです。
③他者からの介入
このカテゴリーでは他者からの施術を活用したアプローチになります。
「ロルフィングのたちばな」が開発した、
⚫︎骨力体トレーニング
⚫︎神経リンク
⚫︎無軸トレーニング
が当てはまります。
上記のアプローチは他者からの介入(施術)によって才能の壁を壊していきます。
チート的なアプローチです。
◆チート:cheat
(1)ずるいこと。いかさまをすること。特にコンピューターゲームに改造を施し、自らに有利な動きをさせることを指すこともある。
(2)(1)より、ずるいと感じるほど強いことまたは強い者のこと。
実用日本語表現時点:https://www.weblio.jp/content/チート
一昨年に「骨力体トレーニング」、昨年末に「神経リンク」、今年になって「無軸トレーニング」を開発しました。
セッション形式で行うのですが、その効果は開発した自分自身が非常に驚くほどです。
既存のあらゆるアプローチの常識を超えます。
「②自己の取り組み」の手法で苦労する内容が一回のセッションで完全に解決したりします。
「無軸トレーニング」では合気道などの日本武術で体格や筋力さが関係なくなる現象である「合気」が誰でもできるようになってしまいます。
40キロ程度の普通の体格の小学6年生の女の子が、90キロを超える男性を少しの接触で簡単に崩せるようになってしまいます。
また、片腕を両手で全力で抑えられた状態でもゆ〜く〜り〜と肘を曲げていっても抑えた側が後ろに反り返ってしまう現象も起きるようになります(無軸トレーニングのセッション回数がある程度いくと誰でもできるようになります)。
他者を崩すことがわかりやすいので一例として出していますが、実際には姿勢や動作の質が完全に変わってしまいます。
この効果は
「①練習」では一生かけても不可能でしょう。
「②自己の取り組み」では20年間トレーニングを濃厚な密度で継続したら数セッション分の効果は身につくかもしれません。但し、その確証はありません。
個人的には才能の壁を壊すアプローチを20年以上模索してきましたがやっとここまで到達できました。
術理は効かなくなる
面白いのが「③他者からの介入」で開発された身体は質が全く変わってしまうことです。
触れてみるとわかるのですが全く異質な感覚になります。
合気道などの崩し系ではこちらの動きが動き出し前に察知されてしまいますし、術理の技法が効かなくなります。
もちろん、セッションのみ受けた場合には「素の身体の使い方」と呼んでいる身体能力のみ高まりますので、合気道の型、スポーツのテクニックは別途「①練習」で身につける必要があります。
なので合気道で「③他者からの介入」を受けていない経験者と受けている未経験者が稽古した場合には、一見経験者の方が技量が高いように見えると思われます。
ところが、未経験者が経験を積んでいくとこれは短期間で逆転していきます。
崩し系で面白いのは、一般的な場合、その技法の具体的な正しい身体の使い方ができてもなかなか技がかからないのです。試行錯誤しても技が発動しないのです。
それが「③他者からの介入」を受け「素の身体の使い方」のレベルが向上した場合、技法の具体的な正しい身体の使い方ができると途端に相手が面白いように崩れるということになります。
崩した本人も崩された側もはじめは全く意味がわからない状態になります。
自分自身が、小学6年生の女の子に初めて崩された時がこの状態となりました。
いつの間にか床に転がされているのです。
それから危険なのでゆっくり動いてもらうようにしました。
「素の身体の使い方」のレベルが上がることで正しい具体的な身体の使い方が明確になる為にその種目・競技の具体的なテクニックの習得も早くなります。
限界に挑戦の意味
「③他者からの介入」の高度なアプローチを開発してから思うのはまさにチート的なアプローチということです。
実際にセッションをやる側としても常識と比較した場合に、こんな簡単でこんな効果が出てしまって良いのかと本気で悩むこともあります(実際にこのアプローチ開発に25年以上、それなりの開発費用をかけているので全く簡単でもないのですが、、、)。
そんな時に人間の限界とはどこのことなんだろうと考えたりしますね。
第1段階:「①練習」での限界
その人物の先天的な才能に基づいた限界への挑戦です。
第2段階:「②自己の取り組み」での限界
自身によるアプローチによる限界への挑戦です。
天才に近づいているという感覚を味わえるので1番満足度は高いのかもしれません。
第3段階:「③他者からの介入」
その人物の本当の限界への挑戦。
自身による取り組みを遥かに凌駕したスピードで身体を変えていく作業です。
正直な話、骨力体トレーニングはなんとか数十倍の時間をかければ身につく可能性があるように感じますが、神経リンク、無軸トレーニングは今のところこのアプローチ方法でしか身につける方法が見つかっていません。
人間の本来の機能を存分に発揮させるにはこのアプローチは必須ですね。
論理的に考えるならば世の中で天才と呼ばれている人でさえも人間としての限界までいけた人物はほぼいないでしょう。
なぜならそのようなアプローチ(「③他者からの介入」)を試みた人物がいないと想定されるからです。
つまり、天才と呼ばれる人そこからいくらでも上達できるということです。
どこを目的とするのか⁉︎
人の価値観は様々です。
才能に挑戦するといった場合に、第1段階のありのままの先天的な才能そのものに挑戦することにも価値はあるかと思います。
第2段階で自身でのアプローチによる限界に挑戦することも価値があります。
当然、第3段階の人間の限界に挑戦することも価値があります。
但し、本当にこの第3段階はチートすぎるのです😅
20年かけて散々苦労して身につけたことも数回のセッションで超えられてしまいます。
言ってしまえばドラゴンボールでいうところの初期の悟空(界王拳で実力を一時的に底上げ)と悟飯、トランクス、悟天世代(スーパーサイヤ人が当たり前)との違いです。
界王拳▶︎第2段階
スーパーサイヤ人▶︎第3段階
終わりに
第3段階では常識を超えたスピードで「素の身体の使い方(素質)」を変えていきます。
第3段階のアプローチをした身体で第2段階のアプローチしても習得のスピードが高まります。
正直な話、第3段階「③他者からの介入」アプローチでもまだ人間の限界は見えてきません。
なので第3段階のアプローチでもその先はかなり長いと想像されるのでかなり楽しめると思います👍
ちなみに、第3段階の「③他者からの介入」は今後も発展していくと思います。
現在「吸収軸」という身体の状態を発見していますが、これが身体に定着すると第2段階の技法は全く効かなくなります。さらに具体的な技術の習得がさらに早くなります。