はじめに
先日、骨膜リリースセミナー「知覚・遠隔・ヒーリング系」を開催しました。
骨膜リリースセミナーと銘打ってはいますが実際は「ロルフィング®︎のたちばな」で補助的に活用している骨膜リリース以外のテクニックがメインとなります。
ご紹介した内容は、
⚫︎軽く触れてからしばらく見守る(20分程度)
⚫︎手かざし(30センチほどの距離の遠隔)
⚫︎気のボール
⚫︎数メートルの遠隔
です。
以前こうしたテクニックをメインにしてロルフィング®︎の個人セッションを行なっていた時期がありますが、「ロルフィング®︎のたちばな」の目指すスポーツやダンスに通用するロルフィング®︎を想定した場合にそこまでの効果はないので別の手法(骨膜リリース)を開発した経緯があります。
現在、ロルフィング®︎の目的に適したメインのテクニックは「骨膜リリース」だと考えていますが、知覚や遠隔(通称:エネルギーワーク)といったようなテクニックも使い方によってロルフィング®︎の成果を高めることができる補助テクニックと捉えています。
特に今回の知覚やエネルギーワークは力んだ身体の使い方とって癖を解消する効果が高いということが再認識できました。
潜在的に身体は整っているのにどうしても昔の肩周りを怒らした使い方の癖が抜けない場合に役に立ちます。ちょっとエクササイズをしたら急に身体が整うようなケースです。
逆に言えば知覚やエネルギーワークのみでは身体を整えることはかなり難しいということです。個人的にはそのように認識しています。
エアワーク
まず、数タッチしてから20分ほど何もしない見守る時間を作りました。
20分何もしないでいるのはベッドにいる受け手は非常にリラックスできて何も問題ないのですが、見守る側は基本ヒマになります。
そこでちょっとお遊びで「エアワーク」を行なって見ました。
エアワークとは?
実際には触れないで空中で施術を行なっているように真似事をすること。テクニックは基本的に何でもよい。
僕だったら、
⚫︎オステオパシー誇張法(関節モビライゼーション)
⚫︎ボーエン・テクニック(スクラッチ・テクニック)
⚫︎筋膜リリース
⚫︎骨膜リリース
⚫︎エネルギーワーク
などが使えます。ですが真似するテクニックは自由なのでマッサージや指圧、鍼などなんでも行えます。
受け手がリラックスしている状態だと外部とのつながりが自然にできるようで、そのつながりを維持しながらエアワークをするのです。
側から見ると空中で手を動かしているのでおかしな感じに見えます。
実際に相手とつながった状態でエアワークを行うと偶然を超えた確率で受け手の身体が「ビクンっ‼︎」と反応します。
なんらかの刺激が受け手に伝わっているのだと推定されます。
僕が習ったオステオパシー誇張法では骨格模型を受け手の身体に見立てて施術すると直接触れられていないのに変化が生じるというデモを授業で度々見ましたが、これも一種のエアワークだと推定されます。
骨格模型という具体的にイメージしやすいツールがあった方が影響力は大きくなり、実践もし易いと思います。
こうしたエアワークはあくまでもデモンストレーション的なものでこの後の遠隔なども同じですが、実際には直接手で受け手に触れた状態で具体的なテクニックを施しながらイメージでもエアワークを行うことによって施術の効果が一段階高まります。
遠隔:数メートル
遠隔の体験では1人数メートル離れた位置に後ろ向きに立ってもらいます。
まずしばらく何もしない状態で見守ります。基本的に何も起こりません。
そこで後頭部(感度が1番高い)に向けてエネルギーを照射する感じで行うと急にゆらゆらし始めます。
反応が強かったりエネルギーを照射する人が上手かったりすると「グラっと」倒れそうになるほど身体がゆれます。一種の空間系の「合気」ですね。
エネルギーを照射すると照射された側の典型的な反応は、
⚫︎身体がゆれる
⚫︎呼吸が深くなる
⚫︎突然落ち着かなくなる
になります。
こうした反応がでたなら上手くエネルギーワークが使えていることになります。
こうした数メートル離れてエネルギーを照射するのはあくまでもデモンストレーション。
実際にはベッドの横で見守る時間に行なったり、実際に触れて施術している時に併用します。
これはおまけですが数メートル離れた状態でもエアワークを試して見ましたがやはり反応があります。
遠隔では何を使ってもできそうです。
身体の癖を修正する
セミナーやWSの常連の方で今回も参加していただけた方がおられます。
これまでの骨膜リリースやエクササイズによって劇的に誰が見ても姿勢などが改善されていますが、課題としては「力む癖」が抜けない点でした。
それが今回のワークを受けるとこれまでとはまた違った反応が見られました。
そこで課題となる身体の部位に目をつけて数ポイントスクラッチ・テクニックを施して見守るワークを繰り返したところ課題だった「力む癖」が大分解消されたようでした。
通常の骨膜リリースや関節リリースのみのワークではなかった変化なので、直接触れないワークの効果について再確認できた瞬間でした。
仕上げ的な意味合いでこうした知覚・遠隔・ヒーリング系のテクニックは活かせそうです。
触れない時間が多くなるのでクライアントさんとの信頼関係が重要になりますが、一つのツールとして使えますね。
立禅
最近施術の身体作りに活用しているのが立禅です。
今回のセミナーでも基礎的な身体の使い方としてご紹介。
▼立禅
やり方は様々ありますが1番基本的な腕を円相(柱を抱えているような態勢)にして膝は曲げないやり方です。
この態勢で、手首を「橈骨の抜きポジション」もしくは「尺骨の抜きポジション」にセッティングして5〜10分ほど立ち続けます。
上手く手首のセッティングができると手と体幹がつながってきます。
この状態になれれば10分程度ならしんどくもなくむしろ気持ちがよくなってきます。
これに特殊は呼吸やイメージを組み合わせると自然に遠隔ワークが行えます。
遠隔ワークができる状態がある意味「気」がでている状態なのでしょう。逆に言えば遠隔ができないならば立禅や気功のやり方が間違っているのかもしれません。
セミナー開催後の「軸トレーニング研究会クラス」の中で立禅を行なっているのですが、セミナー受講者の方が立禅の最中に近くの方に遠隔ワークを行なって身体をゆらゆらさせて遊んでいた模様です(笑)
受動知覚トレーニング
久々に受動知覚トレーニングも実施しました。
受動知覚とは?
外部の環境(物や人も含む)で自身の身体を感じる方法。通常直接身体を感じると筋肉を力ませる傾向があるが、外部を経由することによって「力み」を発生させずに身体を感じることが可能になる。
個人的には施術もエクササイズも全てこの「受動知覚」を無意識的に活用しています。
⚫︎合掌知覚トレーニング
⚫︎ケトルベル武蔵
⚫︎受動知覚を活用して他者の腕を支える
などを実施しました。
「合掌知覚トレーニング」は合掌しながら全身の60兆個の細胞を感じるワーク。「軸」が1番実感しやすいワークの1つです。
「ケトルベル武蔵」はケトルベルを両手にぶら下げた状態でケトルベルで身体を感じていくというもの。これに慣れると施術で受け手の身体で「受動知覚」が行えるようになります。
道具を利用するスポーツなどでは道具が身体の一部にするのに非常に役立ちます。
他者の腕を「受動知覚」を使った場合とそうでない場合での腕のゆるみ度を確認しました。あきらかに「受動知覚」が上手くいくとゆるみ度が違います。
「知る」ことと「できる」ことは異なる
こうした知覚・遠隔・エネルギーワーク・ヒーリング系のワークというものはやり方自体は知られています。
今回の受講者の方の中にはそのような方はおられなかったのですが必ず中には、
『これ知ってます』
『別のところでも同じこと学びました』
という人がでてきます。
でもよくよく追求していくとそれほどできないケースが多いのです。知識としては知っている。でも熟練していない。
今回のセミナーの核はやはり「素の身体の使い方」に尽きます。
⚫︎受動知覚
⚫︎立禅
このあたりの身体の使い方を身につけるエクササイズがメインですね。
能力はいくらでも向上できるので、興味ある方興味ある分野でフリーザ様を目指しましょう‼︎
もらってしまう人
知覚・遠隔・エネルギーワーク系が好きな方の傾向としては「身体が使えていない」という点が挙げられます。
そこで立禅を10分試しに行なって見るとよいかなと思います。
10分気持ちよくできるならばあるレベルに到達していると言えるのではと思います。もしたったの10分がとてもキツイと感じるようでは身体はできていません。
また施術系、とくにヒーリング体質の人に多いのですが、よく人から「もらってしまう」という方がいますが結局は自分自身の身体の使い方に無理があるからです。
それによって心身ともに相手の方によりかかってしまうので脳内の情報として自律神経系などが悪影響を受けてしまうわけです。
そうした方は立禅を60分楽にできるようになると「もらう」ということは無くなると思います(意念やイメージは要りません。むしろこうしたタイプは使ってはいけない)。
少なくとも「もらってしまう」と感じている状態のままヒーリング系や通常の施術を行うべきではありません。もし解決しないならば厳しいようですが適正がないので、そうしたことはやめるべきだと思います。
何故か「もらってしまう」と頻繁に言いながら解決策を模索しない人が多いのが気になります。
立禅がしづらければウォーキングや筋力トレーニングなども有効だと思います。
とにかく困っているならば対策を練って実践しましょう。
終わりに
今回は参加者のご要望があって開催した内容でした。
ご要望が無ければ個人的にはあまり関心のなかった分野なのでこの内容でセミナーを行うことはなかったと思います。
ですが色々と再発見があり実施してよかったと感じました。
次回開催は未定ですが、また気が向いた時に開催できたらと思います(また2〜3年後ぐらい?)。