ロルフィングとは10回の施術で全身を整えるアメリカで開発された整体(ボディワーク)です。

「居着く」トレーニングになっている危険性

以前、僕も講習を受けてトレーナー認定を受けたことがあるトレーニング団体JARTAのトレーニングの動画がTwitterにあったのでご紹介したいと思います。

「カットフォール」という重心移動を目的としたトレーニング。

僕自身も講習会で習いましたが当初から疑問を感じていました。

『これは居着く為のトレーニングになるのではないのか?』

「居着く」とは重心移動を妨げる無意識的な身体の反応のことです。

例えば、重心を前に移動させたいのにそれとは逆方向に身体を移動させてバランスを取ってしまう無意識の反応です。この無意識の反応が起こると重心移動が相殺されて一瞬止まってしまいます。

この一瞬止まる瞬間(居着いた状態)が起こるとバスケットボールやサッカーなどのフットワークが必要なスポーツでは簡単に相手に反応されてしまいますし、野球などのスローイングやバッティングでは重心移動による運動量を使うことができなくなります。

実際に「4つの支持軸」の特徴でこのトレーニングを改めて分析してみても、どの支持軸で行ってもあまりメリットがありません。

日本人の軸感覚である「内側軸(1軸)」では、むしろデメリット大きくあることがわかります

今回はこの点について説明していきたいと思います。

▼JARTAの「カットフォール」とはこのようなものです。

JARTAでは現在はわかりませんが、当時古武術の影響(実際には創作武術家K野氏による)を受けているように思われました。

身体を前に倒してその倒れる重心移動を利用して推進力にする発想です。

ですが「身体を前に倒す」これ自体が重心移動に関しては大きな誤解となっています。

▼「カットフォール」を見てみるとカカトを上げて、つま先側で体重を支えています。このつま先で体重を支えるということは重心移動をこれで阻害しているということです。

典型的な居着いた状態となっています。

古武術などでは地面を蹴らないことが重視されています。でも具体的な定義を説明している人はかなり少ないのです。

「内側軸(1軸)」を機能させる身体運用法である「末端主導体幹操作」がわかると、この「地面を蹴らない」という意味が明確にわかります。

西洋的な身体の使い方だと足を踏み出した側とは反対の足で地面に力を加えて推進力とします。これが地面を蹴るということ。この身体の使い方をすると日本人の軸感覚である「内側軸(1軸)」では大きな筋力を発揮できません。これは神経生理学的な「内側軸(1軸)」の特徴です。どうしても地面を蹴る際に大きな筋力が発揮できないのです。

なので、「内側軸(1軸)」では歩いたり、走ったりする際の後ろ足ではなく、前足に乗っていく身体使いを伝統的にしてきました。これが古武術で言うところの「地面を蹴らない状態」です。

この踏み出した前足に体重を乗せる為に足に体幹が受動的に引かれる身体運用法が「末端主導体幹操作」です

「内側軸(1軸)」にて「末端主導体幹操作」ができるとパートナーに骨盤を前から抵抗を加えられた状態でも同じ体格同士ならスタスタと問題なく前に歩くことが可能です。こうした身体使いでは重心移動による運動量を多く活用しており、筋力的要素が少ないので日本武術で年齢を重ねても若い人を凌駕できる理由となっています。

ちなみに、4つの支持軸の他の支持軸では後ろ足で地面を蹴ることが適しています。先程の骨盤に抵抗を加えられた場合に、「内側軸(1軸)」以外の3つの支持軸(白人、黒人、多くのアジア人)では逆に地面を蹴る必要があります。

「カットフォール」に話を戻すと、このつま先側で体重を支えるという状態が「地面を蹴っている状態」ということになるわけです。

まず日本人の軸感覚である「内側軸(1軸)」だとこの時点で不適切な身体使いになってしまうのです。

これは主観的な問題ではなく支持軸の神経的な反応的に全く適しておらずにこのトレーニングを熱心に行うことで「居着く」トレーニングになってしまう可能性が高いのです。

では「内側軸(1軸)」以外の3つの支持軸ではどうかと言えば、体重がつま先側に移動しているので十分に地面を蹴ることができなくなっています。

どの支持軸の観点でもメリットがなかなか見えてきません。

もちろん、ここまで述べてきた内容はあくまでも僕自身が「カットフォール」をある程度トレーニングした経験と「4つの支持軸」の特徴での分析に基づいたものです。

実際にメリットがもしかしたらあるのかもしれません。但し、それはJARTAのインストラクターも認識はしていない様子でした。

今回取り上げたような動作系のトレーニングは未だ適切な評価方法が不明確であるという問題点があります。
※ウェイトトレーニングなどでは「最大筋力」「パワー」「挙上スピードの低減」「スプリントタイム」などといった様々な評価がされています。

「主観的に効果がある」と感じていても、その主観と実際は異なるということは多々あるという問題は日々気をつける必要があるということですね。

参考に4つの支持軸の特徴の一部を▼に乗せて起きます。

4つの支持軸の特徴

①内側軸(1軸)
・日本人の軸感覚
・後ろ足で地面を蹴れないが、前足に体重を乗せることで
自由に重心を操作できる
・「末端主導体幹操作」で機能する

②中間内軸(2軸)
・白人(下半身主体)、多くのアジア人(上半身主体)の軸感覚
・筋力発揮に優れるので後ろ足で蹴ることが有効
・体幹の捻りを使った「体幹主導末端操作」で機能する

③中間外軸(3軸)
・ラテン系の軸感覚
・厳密的には「1軸」と同様に後ろ足で地面を蹴るのに適していないが
支持基底面内なら自由に重心操作ができるので地面を蹴っても問題がない
・体幹の屈曲・伸展を使った「体幹主導末端操作」で機能する

④外側軸(4軸)
・黒人の軸感覚
・移動に特化した特徴があり、体幹を固定することに完全に向いていない
・体幹の側屈を使った「体幹主導末端操作」で機能する
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