はじめに
現在、「無軸トレーニング」という身体の無意識の力みを消すセッションを提供しています。
人間は「動こう」とした際に生じる無意識の力みによって人は反応します。
この反応を起こさせなければ、筋力や体格で勝る相手も簡単に崩し、投げることが可能になります。
また、施術では相手との一体感が生じ施術の効果を高めます。
もともと「無軸」はこうした相手に反応させないことを念頭に開発したワークでしたが、「無軸トレーニング」のセッションを受けていただいたクライアントさんから上記以外の変化についてご報告いただくようになりました。
今回はご報告いただいた内容をご紹介したいと思います。
効果
これまで確認されてきた「無軸」による効果は、
⚫︎無軸系の合気が使えるようになる:相手に察知されないので体格差や筋力差関係なく崩せる
⚫︎動作の習得が速くなる
⚫︎施術を行うと受け手の緊張がすぐに溶ける
といったものでした。
これに加えて最近判明したことが、
⚫︎英語が聞きやすくなる
⚫︎音楽の歌詞がわかりやすくなる
⚫︎心理的に影響を受けにくくなる
という点です。
大きく分けると聴覚系と心理系の効果ということになります。
英語が聞きやすくなる
聴覚系の効果については自分自身も無軸のセルフトレーニングをしていて体感していることでした。
以前は英語を聞くと日本語とは違ったリズムだったり、アクセントだったりを聞くとその違った部分に執着してその後の音声が聞けなかったり、身体が硬直して全く言語として認識しなくなるということが多々ありました。
それが「無軸状態」では焦ることなく自然に聞くことができるのです。
おそらくは、日本語と英語の違いによって脳がパニック状態になることで身体が力んでしまい聞けなかっていたのだと思います。
このパニックになった状態を「居着いた状態」と個人的には呼んでいます。
英語のリスニングに関して、子供と大人では同じ時間英語を聞いても子供は英語を聞けるようになるけども、大人はなかなか英語を聞けるようにはならないと言われます。
これは、大人になると日本語に特化した耳になる為に外国語の音声をうまく認識できないことが考えられます。日本語に特化するということは現代のようなグローバルな社会になる前でしたら非常に合理的な仕組みです。
逆に、発達段階の子供は何者にも染まる耳を持っているということになります。
実際に、赤ちゃんはあらゆる音を聞き分けているという研究もありますね。
これは「脳」的な影響によるものですが、実は大人が英語の音声を聞けなくしているのはこれ以外にも「居着き」が影響していると言えるわけです。
「脳」を赤ん坊のようにすることは難しいですが、脳のパニックである「居着き」を解除することは「無軸トレーニング」によって可能であり、英語やその他の言語のリスニングを向上させることに役立ちそうです。
歌詞に意識が行く
音楽の歌詞がわかりやすくなったというのも、英語と同じように「居着き」がなくなり歌詞に意識が行くようになったからだと考えられます。
先日、ライブに行って驚いたのですが「歌詞」へ意識が行くようになっていたことです。
ライブへは基本的にダンスという身体表現に注目しているので、音楽特に歌の歌詞にはあまり関心が向きません。また、聴覚的な能力が低いので歌詞を聞こうとしてもこれまで聞き取れなかったのです。
それが、気づくと歌詞に意識が向かっていました。
そのライブは2部制で、1部にそのことに気づいたのですが気のせいかと思い、2部では自分自身を観察しながら観覧してみました。
するとやはり歌詞に意識が向きます。
歌っているメンバーに目をやってしまうのです。
いつもなら推し(今回はアプガ(2)なので4軸の天才さん)をずっと追っているのに、目が離れます。
そして、推しを目で追う際も視覚系の集中力が切れているのに気が付きました。
動作をあまり見えていないのです。その分、歌の歌詞に意識がいっています。
これは何とも不思議でした。
このことに気づいてダンスと歌詞両方とも意識を向けてみたところこれまでに無い状態になりました。
ものすごく脳が疲れるんです。
ダンスを見るということはその源泉となる「ビート」に意識を向けるのが必要になります。
なのでいつもは、
①曲のビート
②ダンス(身体表現)+分析
に意識を向けていますがこれに、
③曲の歌詞
が加わったことに「ワーキングメモリ(作業記憶)」を多く使い過ぎている状態になってしまった考えられます。
他の方が同じように3つに意識を向けても「ワーキングメモリ」が足りなくなるのかは不明です。このあたりは興味がありますね。
歌詞に意識が向くようになった要因は今のところ2つ挙げられます。
1つは英語のリスニング学習。英語のリスニングを行なっていることの影響。でもこれは1月の後半から本格的に行なっているので直接の要因の可能性は低そうです。
2つ目はライブ前の「無軸トレーニング」のセッション。無軸トレーニングでは「音軸」という音楽を使ったワークを行っていました。しかも、新しくHomePod mini(スピーカー)で行なったので、もしかしたらその「音軸」の影響が強くでたのかもしれません。
HomePod miniで音楽を流すと歌詞がより明確に聞こえるので、曲の歌詞を聞くスキルが高まったのかもしれません。
ちなみに普通に歌詞を聞こうとしても「スキルは高まらない」というのは大事な点。
心理面
以前から「身体の力みは考えること」という考えを持っています。
心理的な影響も身体への力みにより誇張されるということはあり得る話です。
個人的な体験ですが、この数年胃の調子が悪いのですが調子が本当に悪い時期には、ネガティブな情報(死をイメージさせる話など)だったり、緊張を伴う状態(レジに待たされる、ライブ前など)になると胃が過敏に反応し、臨場感のある恐怖や緊張を感じることがありました。
列車において踏切立ち入りなどで停車した際も列車という狭い空間に閉じ込められた状態に過敏に反応して心拍数が上がり、口の中が乾き、息苦しくなるのを感じることが多くありました。
胃の調子が悪くなければなんとも思わないようなことでも、恐怖や不快感を感じるのです。
こうしたことからも心理というのは「心」だけの問題ではなく身体の反応とは切っても切り離せない関係にあります。
こうした心身の関係から考えると「無軸トレーニング」によって身体への無意識な力みが生じにくくなることで他者からの心理的影響を受けなくなるということは十分あり得ることです。
終わりに
これまでは「無軸トレーニング」は身体操作を対象としてきましたが「聴覚」のような知覚的なアプローチでさらに効果が高まることがわかってきました。
人はそれぞれ認知特性を持っています。
認知特性とは,目で見る,耳で聞くなどの五感を中心とした感覚器から入ってきた様々な 情報を,脳の中で「整理」「記憶」「理解」する能力のことです。
大きく分けて
⚫︎視覚優位
⚫︎言語優位
⚫︎聴覚優位
に分けられます。
自分の場合は完全に言語優位タイプで、聴覚系が苦手です。なので文字を読んで理解することが得意ですが、講義を聞くという聴覚系では全く頭に入りません。
こうした認知特性の苦手な知覚系も「無軸トレーニング」によって教育できる可能性があるように感じます。
完全に克服することは難しいと思いますが、少しマシにすることは可能かと。
色々と試してみます。
今後は「視覚」「言語」系のアプローチも探求していく予定です。