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動きの天才性を失う要因:言語、思考、情報

はじめに

最近では、

⚫︎神経リンクシリーズ
⚫︎無軸トレーニング
⚫︎骨力体トレーニング

などを開発して、スポーツ・ダンス・武術など分野問わずにセッションを通して後天的に天才に迫ることができてきました。

そこで残る疑問が

『何故人間は天才になれる人は少数なのか?』

という点です。

つまり、「天才性を身につけれる人物と一般人との成長の過程での違いは何があるのか?」という問いの答えをずっと探してきました。

この問いを解けるならば、誰もが現在「天才」と呼ばれる人物の能力を普通に成長する過程で身につけられるようになるからです。

毎週火曜日に開催している軸トレーニング研究会でやっとその問いに答えを出せそうな現象を発見しました。

今回はこのことについて記したいと思います。

「素の身体の使い方」

上記に記したように神経リンク・シリーズなどをはじめとしたセッションを開発できたことによってセッションを受けることによって、練習などでは絶対に身につけることができない身体になれるようになります。

例えば、神経リンク・シリーズの♯1では「指」と「体幹」をつなげますが、セッションを受けた方は皆一様に驚かれます。

それは、指と体幹のつながりを体感したり、つながることによって肩幅が広がったり、腕が伸びたり、またまた合気上げといった対人ワークで相手に反応されない動きができたりと、クライアントさんによって驚くポイントは異なりますが、皆さんセッションでの効果に驚いていただいています。

昨年は神経リンクの体験セッションを提供させていただきましたが、最初は#1だけ体験するつもりだったのが結局18セッション全て受けられてしまったというクライアントさんもおられます。

無軸トレーニングはさらにこの傾向が強くなるようです。

無軸トレーニングでは動作時の身体の「力み」をなくし気配を無くすセッションです。

多くの人は能動的に動こうとすると身体に余計な「力み」を生じさせる傾向があります。

この「力み」の積み重ねによって脱力できない身体になりますし、合気道のような武道ではこの「力み」に反応されてしまい技をかけることができなくなります。

逆に言えば、この動く際の「力み」を無くすことによって相手は全く反応できなくなってしまいます。

▼は「無軸」を使ったワークの一例です。

相撲のように組んだ状態で向かって右側の人物が「無軸」を発動させます。

するとそれまで明確に感じていた相手の気配が無くなり、まるで相手がいなくなりまるでつっかえ棒がなくなったかのように、かつ力が抜けて崩れてしまうのです。

無軸トレーニングには、下記のように現在4段階のアプローチ方法があります。

①レベル1:拮抗しない状態で発動
②レベル2:拮抗した状態でも発動
③レベル3:具体的な動作で気配を無くす
④レベル4:音楽を使って身体の「無軸モード」を日常化する

この4段階のアプローチを使ってセッションを行っていくと、片腕を両手で抑えられた状態から

「ゆっ〜〜〜〜くり」

と肘を力むことなく曲げることが可能になります。

抑えた相手からすると目で見て肘が少しづつ曲がるのはわかるのですが手の触覚として相手の動きが伝わってこないので抵抗できないのです。

そして、ある程度肘が曲がると反射が起きて、抑えていた人物の身体が反っくり返る姿勢になってしまいます。

当然、瞬間的に行えばもっと簡単に同じことができます。

これは単に肘を曲げるだけなので技術を使えばさらに容易ですね。

ある程度「無軸トレーニング」のセッションが進んだ方は全員これができるようになります。

これまで小学6年性の女の子や50代の女性もできるようになっています。

そもそも最初にできたのは小学生の女の子です👍

こうした相手に反応させないで崩す技法全般を「ロルフィングのたちばな」では「合気」と呼んでいます。


合気の定義は流派やメソッドによって様々です。広く捉えたり、狭く捉えたり、特定の技法のみをそう呼んだりしています。

「ロルフィングのたちばな」ではかなり広い意味で捉えています。無軸のように全く筋力や体格が関係ない合気もあれば、筋力を積極的に使ったものも合気と呼んでいます(剛の合気:スポーツなどで使いやすい)。

スポーツやダンス、武術などあらゆる分野の上達につながるならば、どんな「合気」でも良いというスタイルです。

▼のような現象も動きの気配を無くすことができれば簡単です(ゆっくり肘を曲げる方が何倍も難しい)。

まぁ、この動きの気配を無くすことが難しいわけで、通常の練習では身につけるのは難しいものです。

こうした現象を可能にするのは「素の身体の使い方(素質)」です。

天才と言われる人物はこの「素の身体の使い方(素質)」が優れているのです。

あるレベルの「素の身体の使い方」を

・神経リンク
・無軸トレーニング
・骨力体トレーニング

などのセッションを通して天才レベルに近づけることは可能になってきましたが、先天的な天才たちはこれらのアプローチに近いことをしていたとは到底考えられないのです。

例えばこうしたセッションに頼らず「天才」を育てようとした場合どのようにしたら再現性を高めることができるのか日々興味が高まっています。

無軸モード

毎週火曜日に「軸トレーニン研究会」という身体へのアプローチを探求する時間を設けています。

最近関心があることは「言語」です。

「音軸」と呼んでいるアプローチを探求していた際にで面白いことを発見しました。

「英語の朗読」を聞いてもあまり身体は変わらないのですが、「日本語の朗読」を聞くと「無軸のモード」が強化されるのです。
※研究会参加者は全員日本語話者。

「無軸モード」とは無軸を身体にまとった状態です。

「だら〜〜」と身体を感じることで発動します(もちろん「無軸」の素養がないと発動しても何も起こりません)。

軸トレーニング研究会では、両手をパートナーに掴んでもらった状態でこの「無軸モード」のチェックを行っています。

適切に「無軸モード」になれると相手との境界がなくなる感覚が現れます。この感覚は非常に不思議で相手と一体化した感じです。

相手よりも「無軸モード」が相対的に強くなればこれだけで相手の力を抜き、膝をつかすことも可能です。

この「無軸モード」が日本語話者の場合には日本語を聞くと強化されるのです。

能動的な行為が居着かせる

そこで、音読やシャドーイング(音声を聞いて少し遅れてその音声通り話す)でも試してみました。

これだと「無軸モード」は発動しません。

さらに不思議なことは身体が固まってしまうような感じになることです。

このように身体が固まったり、力んでしまうことを「居着き」と呼んでいますが音声を発するという能動的な作業をすると「居着いた状態」になってしまうのです。

居着いた状態は様々な場面で見れれますが英語のリスニングの例を挙げます。

英語のリスニングが苦手な人の場合、英語を聞いていて日本語にないイントネーションやリズムが出てくると途端にそこに執着してしまったり、音声が途端に言語として聞こなくなってしまう状態が「居着いた状態」です。

「無軸モード」が発動すると英語が聞きやすくなったりします。

これまでスポーツやダンス、武術の分野では居着いて動けなくなることはわかっていました。そもそも「居着かない動き」が天才の前提条件です。

音読やシャドーイングでも居着きが発生したということは能動的な行為によって居着きが発生するということが考えられます。

日本語を聞くという受動的な行為で「無軸モード」が発動する。

音読という能動的な行為で居着いてしまう。

この考えを飛躍させると「思考」も能動的な行為と言うことができます。

もしかすると「話す行為」や「思考」と言う人間たらしめている能力によって人間の身体能力(素の身体の使い方)を低下させているのではないかという仮説が産まれました。

大脳皮質の発達が邪魔をする

「話す」「思考」が人間の身体能力を低下させる要因ではないかと考えると人間と野生動物との身体能力の体現度の違いが説明できそうです。

印象論という主観ではありますが、野生動物に比べると人間は個体差が激しい感じがするのです。

もちろん、身体能力がなければ野生動物は生きていけないわけですが、それでもある一定レベル以上の能力を持っている個体が多い印象があります。

人間と他の動物(脊椎動物)との大きな大脳皮質の発達と言われています。

人間は大脳皮質を大きく発達させることによって知能を手に入れました。

ですが、それによって身体能力(素の身体の使い方)を育てる弊害になっているのかもしれません。

大量の情報

また、これには成長過程における「情報量」も関係していそうです。

現代と江戸時代を比較するとそれは明らかです。

江戸時代にはテレビもネットもありません。

明らかに産まれてから成人するまでの接する情報量に差がありすぎます。

このように現代人は意図せずに大量な情報に接して、意図せず思考する過程で身体が居着き、身体能力(素の身体の使い方)の発達することを妨げているとも考えられます。

言語の克服

これまでの内容は仮説というかまだ単なる思いつきです。

ですが、探求する方向性はこれで1つ明確になりました。

まずは「音読」を居着かずに行えるアプローチを開発したいと思います。

実は、先日の「軸トレーニング研究会」ではあるアプローチを試して効果を確認しました。

合気上げで確認しましたが淀みなく動作が行えます。

これはこれまでになかった感覚です。

次回の「軸トレーニング研究会」では

・効果は身体に定着しているのか?
・音読してもその状態は維持されるのか?
・トレーニングの継続

を行いたいと思います。

4軸の天才さん

先日、勝手に「4軸の天才さん」と呼んでいる佐々木ほのかさんのパフォーマンスを観覧しに福岡県に出張してきました。

佐々木さんの出身地が福岡県なのでソロ曲などの通常とは異なった演出があった為です。

ライブ内では新曲が2曲披露されました。

その中の「starry wink*」という曲の振付が「4軸の天才さん」との相性がものすごく良く驚くような動きをしていました。

印象としては▼な感じ。

舞台の端から端までターンして移動していたと思うのですが、あまりにも予備動作なく滑らかにそして速く移動していて目が追いつかないほどでした。

野生動物の動きに近かったですね。

力みなく速い。とにかく速い。

終わりに

セッションで技術的なことを伝えた際に上手くできない人は大抵考えすぎてしまっている方です。

逆に言われた通り素直に従ってくれる方は簡単にできてしまいます。

こうした経験則にも今回の「言語」「思考」「情報量」仮説はあながち間違いではなさそうです。

昨年からルート鍼(ルート治療)という数百本単位で鍼を打つ鍼治療を受けています。

毎回頭に鍼を打つと強い痛みを感じ、鍼を抜くと大量に出血します。

現在8回目が終わったところですが頭部からまだ大量に出血します😅

考えすぎていると頭部がプニプニとして痛みや出血がしやすくなるとのことですが、今回の記事の内容と何か関係がありそうで面白いです。

もともと運動が好きでしたが苦手で、克服する為には「考える」ことしか手段なくここまできましたが、その「考えてきた」ことの代償なのかもしれません。

こんなに大量に出血するのは珍しいそうです。

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