はじめに
スポーツ、ダンス、武術などで上達するには指導者と学び手側の相性が重要になります。
お笑い芸人コンビのジャルジャルさんのコントでこの指導者と学び手側の関係性がわかりやすいものがあるので今回ご紹介します。
学び手側の立場
▼の動画は学び手側から見た立場から見ると面白いです。
ジャルジャルのネタのタネ『天才やけど、教えるの下手な奴』【JARUJARUTOWER】
学び手としてはもっと具体的なこと、その場で活かせる内容を求めていますが、求める指導はされていないと感じています。
指導者側の立場
▼は指導者側の立場から見ると面白いです。
ジャルジャルの傑作コント「野球部」
指導者として伝えたいことが学び手側には全く伝わっていません。
動画では具体的なバットの持ち方を伝えていますが「感覚」を伝えようと捉えると一つ目の動画である『天才やけど、教えるの下手な奴』の指導者も実はこのように伝えようとしているけども学び手側が
理解してくれない
と感じているのかもしれません。
問題点
上記の動画での指導者側の問題点としては、
学び手側のレベルに合わせて必要な情報を提供すること
ができていないことです。
指導者が伝えたいことと学び手側が求めることの乖離があるので全く噛み合いません。
これはスポーツ、ダンス、武術の分野問わず学び手側が思ったような上達できていない現場では、一般的に見られる光景ではないでしょうか?
また、学び手側の問題点もあります。
学び手側は指導者の指摘する内容を自分勝手に解釈していること
があります。
指導者が指摘していることを素直に行うのではなく、自分の解釈を入れてしまうということです。
こうしてしまうとそもそも指導者側が伝えようとしている内容が変わってしまうので、上手くいかないことが多々起きてしまいます。
これも様々な現場でよく見られます。
せっかく直に習っているのにその内容を他のメソッドで解釈してしまうなどは学び手側として陥ってしまいがちな失敗です。
身体系のメソッドでは20年前には「高岡理論」と「胴体力トレーニング」が人気がありましたが、これを例にすると「高岡理論」を「胴体力トレーニング」の考え方で解釈したり、逆に胴体力トレーニングを高岡理論で解釈して判断することです。
簡単に説明すると「高岡理論」では体重を脛骨の真下のウナと独自に名付けた部位で支えることを重視していますが、「胴体力トレーニング」では足の親指の付け根である母趾球で体重を支えることを重視しています。
なので体重を支える部位は「ウナ」が正しいのか?「母趾球」が正しいのか?といった論争が昔ネット界隈でありました。
ですが、考え方の土台がそもそも異なるので単純に別のメソッドで解釈する意味はありません。
そもそも、どちらのメソッドも具体的な評価方法が提示されていないのでどちらが正しいのか間違っているのかを判断することができないことがこの論争の最大の原因です。
このあたりは「 4つの支持軸理論」を使うと、前提条件を整えるならばどちらも正しいということがわかっています。
これは別に「 4つの支持軸理論」が優れているということではなく、単に評価方法が存在して確認できるためです。
自分自身もこうしたことは身に覚えがありますし、ロルフィングなどのセッションを受けている最中に、クライアントさん自身が学んでいるメソッドでロルフィングをリアルタイムで解釈している場面が度々遭遇します。
ですが論理的にいって理解していない事柄を無理やり自身の馴染みある考え方で解釈することは全く無意味なことです。
解釈するにはまず対象を理解してからでない限り、解釈も比較も適切にできないからです。
こうしたことはエクササイズを学ぶ場面で勝手に
やりやすい動作で行ってしまう
ということも当てはまります。
指導者としてこれはダメ‼︎
▼の動画は上で取り上げた動画とにていますが、これは完全に指導者としてアウトな内容です。
『「なんでミスするの?」って言うコーチの奴』ジャルジャルのネタのタネ【JARUJARUTOWER】
こうした光景はよく見られますね。
指導者側が一方的に怒鳴っていたりなどもこれに当てはまります。
僕自身、小中高と野球を行ってきましたがどの時期の指導者も怒鳴っているのに、何に対して怒鳴っているのかわからない指導をずっとされてきました。
「どうしたら?」が全くこちらに伝わってこないので当然改善しようがありません。
そして、「何度言ったらわかるんだ‼︎」という展開になります。
具体的なことが伝わっていないから改善などされないのが当然なのですが何故か指導者自身気がつかないんですね。
「何度言ったらわかるんだ」という言葉を発したら指導者自身これまで学び手側に伝えてきた内容が「全く伝わっていない」と考えた方が良さそうです😅
終わりに
誇張したコント形式にすると非常に面白いのですが、実際の現場ではこうしたコントが日々行われていると想像されます。
少なくとも僕の学生時代はこうしたコントを直に体験してきました。
効率的に上達するには指導者側も、学び手側も適切な対応することが重要になります。
各々がやりたいようにやってしまうと上達はかなり停滞してしまいます。
これは指導者側、学び手側ともに不幸なことですね。