道具ともつながれる手をつくる

先日開催しました軸トレーニングWS「他者とのつかなり③」では、①、②の内容から更に踏み込んで「各指と体幹のつながり」を作るトレーニングをご紹介しました。

この段階までくると他者とはもちろんのこと道具とのつながりができてきます。

WSを開催した会場(剣道場)にはちょうど太鼓とそれを叩くバチがあったので、一方をパートナーに掴んでもらいもう一方を動かすことをしてもらいましたが、肉体と道具とのつながりができパートナーの抵抗反応を起こすことなく崩すことができるようになりました

合気道などでは杖(じょう)などを使い相手を投げる型稽古がありますが、これが真剣に握られてしまうとかなり難しいものです。

自分自身、合気道を稽古していた大学時代、型稽古はするものの実際に杖で崩されて投げられた経験はありません。そもそも、道具を使わない通常の徒手での技も真剣に掴んだ状態では技はかかりませんでした。

今、まがりなりに道具を使って相手を崩すことができるようになってわかるのはやはり、徒手で他者を崩すことの延長線上に道具で相手を崩す技があるということです。

合気道なら徒手から杖や刀などの武器術につながっていくわけです。

そしてスポーツに目を向けると多くのスポーツでは道具を使う種目が多くあります。

こうした道具を活用したスポーツで本当の意味で上達するには「道具とのつながり」ができた手を作ることは必須ということになります。

但し、通常の道具を使うスポーツでは徒手での練習内容は基本的にありません。僕自身野球を小中高と行なってきましたがはじめからボール、グラブ、バットを活用した練習しかしたことがありません。徒手で何かするというのは走るぐらいです。

でもやはり扱う道具の種類はなんであれ「道具と手と体幹」がつながらないと道具自体が上手く操れないのは事実だと思われます

WS受講者のお一人はスポーツなどはなさっていませんが趣味で料理を学んでおられました。

そこでエアで包丁で何かを切る動作をしてもらったところ全身の調和がとれて非常にキレイな身のこなしになっていました。

試しに包丁を扱う手首を握ったのですが、包丁を扱う動作には全く影響なくむしろこちら側が崩されてしまいました。

僕自身、この軸トレーニングWS「他者とのつながり」で行なってきたトレーニングを日々行なって他者や道具とつながる手を作っています。

ロルフィング®︎の個人セッションなどの施術では全く何も特に考えて行なっているわけではありませんが、定期的に僕の施術を受けていただくクライアントさんからは非常に驚かれることがあります。

施術者自身の手や身体というのはテクニックでは誤魔化しの効かない部位ですが、それだけにトレーニングで改善させると施術の効果を著しく高めますね。