「ボウエン・テクニック」と「タッチの変化」

先日、ボウエン・テクニックを学ばれている方に実技試験対策としてセッションを提供しました。

ボウエン・テクニックとは僕自身もプラクティショナーとして認定を受けているのですが、皮膚をズラすような刺激を加えた後は神経生理学的な反応にまかせることで身体を整える施術テクニックです。

基本的にはワンタッチで刺激を加えて、1分〜数分間何もしない時間を作るのが特徴です。

実技試験対策ということで僕自身が受け手になり、アドバイスをするというある意味特殊なセッションとなりました。

実際にクライアントさんのボウエン ・テクニックを受けたのですが予想通りのタッチの感触。

刺激(ストローク)を加えていく段階でどんどん圧が弱くなってしまうのです。

なので筋肉に刺激が適切に伝わらない。

これはその施術の手順を知っていても、身体がついてきていないケースです。

練習量とも関係がありますが、1番の問題は「身体の使い方」ということになります。

そこでインスタントに手のタッチを改善するテクニックをお伝えしました。

リストバンドを活用する方法です。

恐らくクライアントさん自身は全く違いに気がつかなかったと思いますが、このテクニックというかツールを使うと明確に手のタッチの感触が変わります。

あれだけ圧が弱くなって適切な刺激を与えることができなかったのが、その場で適切に刺激を筋肉(筋膜)に与えることができるようになりました。

実際にはこの手法はあくまでもインスタントなやり方です。

切り傷に絆創膏を貼るようなもの。

実際には日々の取り組みで手や身体の使い方を改善していくとより適切な刺激を与えることができるようになります。

本当に施術を上達させたい場合はそのテクニックの手順だけを知るだけではダメです。

また練習を積んでもある時点で行き詰まります。

施術の世界ではまだあまり認識されていませんが、施術のタッチの質や効果を高めるには身体の使い方を上達させることが必須要件です。

セッションでは、身体の使い方のアドバイスを加えながら、ボウエン・テクニックの基本となるテクニックを復習しましたがこのクライアントさんはボウエン・テクニックの実技試験を無事合格されたとの連絡が来ました。

おめでとうございます☆

この1年間、一部のテクニックをアレンジしてロルフィング®︎では使っていましたが、ボウエン・テクニック自体のセッションはほとんどしていませんでした。

実技試験対策のご要望があってからボウエン・テクニックのテキスト(計4冊)をひっぱり出して再確認しました。

セッションは計2日間実施したのでテキストの確認も2度したので個人的にも良い復習になりました。

ボウエン・テクニックにご興味ある方にアドバイスをしたいと思います。

僕が受けたカリキュラムはモジュール7までで計14日間の研修を受けて試験に合格すると認定を受けられましたが、現在では短くなりモジュール6の計12日間で修了とのことです。

ボウエン・テクニックは刺激を与えてから数分単位で何もしない時間を作るという特徴から、研修の中ではタッチの練習量を多く行えません。

なので圧倒的に施術の練習量が不足する傾向があります。

研修とは別に家に帰ってから外部クライアントへ30時間のセッションをするという課題がありますが、このセッションでクライアントさんに触れている時間が極々短時間です。

この短時間ではタッチの質を高めることは非常に難しいと思われます。

ちなみにロルフィング®︎のトレーニングでは計6ヶ月間、毎日ロルフィング®︎に必要な
筋膜リリースの施術練習をトレーニング内で集中的に練習します。

実際には、これに加えてトレーニング外での最低50時間の施術練習が義務付けられています。
この筋膜リリース(ロルフィング®︎ではティシュ(組織)ワークと呼びます)では
「セッション時間=施術時間」となる為にボウエン・テクニックとは練習量が圧倒的な
違いになります。

この練習量を補う為にも別の要素が必要となります。

なので是非ボウエン・テクニックのトレーニングを受けるならば、それと同時に施術力を高める身体の使い方についても学ぶことをオススメします