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【施術の可能性】人間は想像以上に他者の影響を受けている⁉︎

軸トレーニング研究会

毎週火曜日に「軸トレーニング研究会(軸トレ研究会)」を開催して色々と身体について探究しています。

「4つの支持軸理論」の最新の知見はこの軸トレ研究会にて産まれています。

最近の軸トレ研究会では、合気現象や施術に大きく関係する「虚・実」についてテーマにすることが多いです(個人的に興味があるからなのですが^^;)。

虚と実は難しい表現ですが簡単に説明すると、

虚:「存在感」が無い状態
実:「存在感」がある状態

ちなみに、全身を「虚」にした状態が「ゼロ軸(4つの支持軸を全てOFFにした状態)」、全身を「実」にした状態が「全軸(4つの支持軸を全てONにした状態)」になります。

ということになります。

「虚」と「実」はどちらが優れているかということはありません。

「虚」と「実」を組み合わせることによって他者に影響を与えることが可能になり、合気道などの接触系の競技や施術では非常に重要な概念になります。

「虚」で触れると他者に反応されることがなくなりますが(防御反応が起こらない)、全身が「虚」だと踏ん張ることができなくなるという副作用が出ます。

また、施術では施術者が「虚」の状態だと受け手の身体は自然にゆるんで脱力状態になります。

世間では「脱力」が評価されており一見「脱力」というと良いように感じますが、実際には身体のまとまり(統合)できていない状態なので、これだけではあまり良い状態ではありません。

そこで「統合」という考え方が重要になり、施術者が「実」の状態になり施術することでバランスを取ることが可能になります。

全軸、ゼロ軸での施術

先日の軸トレ研究会ではどの程度、施術者が「虚(ゼロ軸)」の状態と「実(全軸)」の状態で施術の効果が変わるのかを実験して見ました。

行ったことは非常にシンプルで施術自体は、受け手の前腕の表面を10回ほど軽くさするのみ。

これを施術者が、

⚫︎ゼロ軸の状態
⚫︎全軸の状態

で行いました。結果は下記の通りです。

ゼロ軸 ▶︎ 筋肉がゆるむ
全軸 ▶︎ それほど筋肉はゆるま無い

ゼロ軸で行うと10回程度でのさすりだけでも筋肉がゆるむことは予想通りの結果でした。

予想外なのは全軸でのさすりの結果です。

確かにゆるむ効果というのはそれほど無いのですが、筋出力が高まることがわかりました。

全軸でさすった側の手の握る力が劇的に高まったのです。

さすりを受けた方が感覚が異なるということで握手状態で手を握り潰すというやり方で確認したところ激痛が走るほど完全に握り潰されてしまいました😅

これは後日、女性の方に試して見ましたが同じ現象が起こりました。

こうしたことから、

「虚(ゼロ軸)」での施術 ▶︎ 脱力が進む(副交感神経を刺激)
「実(全軸)」での施術 ▶︎ 筋出力が高まる(交感神経を刺激)

ということがわかってきました。

施術者の状態が受け手に移る

さらに検証をするめていくと、

どうやら施術の支持軸や身体の状態がさするだけで受け手側に転写(移る)ことがわかってきたのです。

施術者が下記の状態で施術(ここではさすり)を行うとその状態に受け手もなってしまうのです。

⚫︎全軸
⚫︎ゼロ軸
⚫︎各支持軸

これまで遠隔で各支持軸や全軸、ゼロ軸に他者を変えることができることはわかっていたわけですが、条件さえ整うならば人間は他者の状態に容易に影響を受けてしまうものなのかもしれないことが示唆されてきました。

これが理論として整理されてくるならば、施術の効果を飛躍的に高めることを示しています。

一般的にはマッサージを含めて施術は「筋肉をゆるめる」目的で行われています。例外は「統合」を目的とするロルフィング®︎ぐらいでしょう(ロルフィング®︎でも授業で明確に「統合」を引き出す施術は習わないのでロルファー【ロルフィング®︎の施術者】でも「統合」の具体的な施術を行うものは少数)。

それが論理として明確に「統合」「筋出力」「軸」を意図的に受け手の身体に介入ができるということになるからです。

これにより、極論的には憧れのトップアスリートの身体の状態を施術で転写させることも可能ということになります(当然色々な条件が存在するので現在では非常に難しいと思われますが、、、)。

ロルフィング®︎の成果が劇的に変わった

この軸トレ研究会で判明した知見をロルフィング®︎の個人セッションに早速応用して見たのですが、この観点だけでロルフィング®︎の結果が大きく変わりました。

まずは、クライアントさんの支持軸と一致する支持軸を身体に通して施術を行うことを試しましたが、その結果として自然にクライアントさんの支持軸が強化されて自然に機能的に使えるようになってしまったのです。

これまではパワーポジションなどの機能的動作、意識操作などをご紹介して数回のセッションを通して理解してもらってできる状態に一回のセッションでできるようになってしまったのです。

終わりに

施術者の身体の状態が施術を受ける側に大きく影響する現象についてはこれまでの経験から気がついていましたが、今回の発見によりその現象を論理的に説明・実施することができるようになったのが大きな進歩になります。

今はまだ状態の転写の段階ですが、もしかすると「運動の記憶」も伝えることが可能になるかもしれません。

ここでの「運動の記憶」とはトップアスリートやトップダンサー、達人の身体を使う感覚のことです。

まだまだ、妄想の段階になりますが思った以上に人間同士は影響しあっていることがわかってきたので今後も探究を継続していこうと思います。

9月20日開催の施術系セミナー「4つの支持軸理論を施術に活かす」では今回ご紹介した最新の知見も取り入れて行っていこうと思います。

追記:「4つの支持軸理論」を学ぶに際して

「4つの支持軸理論」全般に言えることなのですが、数回のWSや個人セッションでは全体を把握することはできないほどの理論体系になってきています。

日常的な常識が崩れる経験になるので、実際に体験し再現できてもそれを頭で理解するのが非常に困難を要すうようです。

理解が追いつかないので混乱してしまうのがその理由です。

なので、「4つの支持軸理論」を学びたいという方は長期的に学ぶことを念頭にしていただけると良いかと思います。

良かれと思ってロルフィング®︎の個人セッションで数名のクライアントさんに一気に今回の内容を説明・実技を行いましたが、皆「理解が追いつかない」ということを喜びと混乱の共存した感情を持っておっしゃられています😅

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