Twitterにて野球のバッティングにおける日本人が得意な「末端主導体幹操作」と黒人(アフリカンアメリカン)が得意な「体幹主導末端操作」の違いがわかりやすいサイトが回ってきたのでご紹介します。
タイトル
【日本球界の打撃が根底から変わりつつある】日本野球界におけるバッティングの新パラダイム⇄旧パラダイムを徹底比較する
https://kuritoritarou.com/4761/
このサイトをよく読んでいただくと旧打法(日本打法)と新打法(メジャー打法)の運動構造の違いがよくわかると思います。似ているようで全く異なる運動構造です。書籍「黒人のリズム感の秘密」でトニーティ先生がスポーツにおいて日本人のリズム感と黒人リズム感の違いとして言わんとしていることがこれです。
トニーティ先生の言うリズム感には身体動作も含まれているのですが、「リズム感」という用語に引っ張られてしまうとこのあたりの理解がかなり抽象的になる恐れがありますが、実際にはかなり明確な違いです。
旧打法(日本人打法)
⚫︎末端主導体幹操作系
⚫︎末端(腕)の動きに体幹がついて行く動き。
⚫︎基本的に背骨の形は変えずに平行移動
⚫︎沖縄空手の突きのイメージ
新打法(メジャー打法)
⚫︎体幹主導末端操作系
⚫︎体幹から動き末端(腕)がついて行く動き。
⚫︎肋骨と骨盤をたわませる動きが初めに入る
⚫︎ボクシングのパンチのイメージ
になります。
小学生か中学生の頃に片腕のメジャーリーガーを特集したテレビ番組を見たことがありました。
自分の感覚としてはピッチャー側でバットを持つイメージでしたが、その選手はキャッチャー側の腕でバットを持ち打っていたのです。これは当時本当に不思議でした。
リンク先のサイトを読んでこの理由も主導操作系(末端主導体幹操作系ではピッチャー側の腕、体幹主導末端操作系ではキャッチャー側の腕)の違いだと理解できました。
なぜ日本野球は旧打法を採用したのかと考えると海外から野球が入ってきた当時の日本人の身体文化としてはそれが自然だったのだろうと推定できます。
実は30年前にはすでにメジャー打法について書かれた書籍「科学する野球」シリーズが出版されていました。
高校時代には指導者に不信感があったので「科学する野球シリーズ」を読んで自己流でメジャー打法に挑戦していました。当時は読解力不足、知識不足、認識不足でしたので全く活かすことはできませんでした。
今になって思えば末端主導体幹操作系の身体の使い方でメジャー打法をやろうとしていたのですからできないのは当然でした。夜な夜な窓ガラスを鏡代わりにして素振りをしていましたが、背骨や肋骨が機能的に全く動いてくれなかったのを覚えています。
こうした日本で1番歴史のあるスポーツである野球にて身体文化の痕跡が明確に見えるのは面白いですね。
そして怖さも感じます。
野球ではリンク先でも指摘されているようにメジャー打法(体幹主導末端操作系)が適しており、体幹主導が使えるならば習得は容易なのです。もし現在メジャー打法が浸透しており、体幹主導末端操作系の動作が身についているならば野球の競技人口はこれほど低下せずに現在よりも多かったかもしれません。
個人的には他のスポーツに分散することは悪くはないとも思っています。但し、やりたいけど上手くできないから野球を仕方なく辞めてしまった数は馬鹿にはできないと思いますし、非常に切なくなります。
そのスポーツの競技特性をしっかり分析して適切な主導操作系を採用することが重要だと思います。
その為にも幼少期から「末端主導体幹操作系」「体幹主導末端操作系」の基礎的な動作を習得しておくならばその切り替えは容易ですね。