オステオパシー誇張法を一緒に学んだ同期とのランチ

はじめに

先日、一緒にオステオパシー誇張法を1年半学んだ同期の方々とランチに行ってきました。

スクールを卒業して2年近くになりますね。

現在のロルフィング®︎の個人セッションではオステオパシー誇張法のテクニックは全く使用しておりませんが、ロルフィング®︎にかなり影響を受けています。

ランチでは同期の他に、僕らの前からオステオパシー誇張法を学ばれており現在も継続されている方も同席されていました。オステオパシーや身体均整法、鍼灸など貴重な話を聞けて非常に参考になりました。

手の形、指の形

ランチが終わり今回の会合は終了となりました。

同じ方向の3名で駅に向かっている中で、ある方から一言いただきました。

『1年前に教えていただいた指の形についてもっと聞きたいと思っていたのですが。』

この“指の形”というのは1年前の同様のオステオパシー誇張法の同期でランチをした際に僕が紹介したものです。

現在、身体操作の参考に学ばせていただいている「ばってん少女隊」の緑担当の希山愛さんの手の表現についてです。

各メンバーの手に注目していただくと向かって右端が希山愛さん。

▼ばってん少女隊のメンバー(赤色担当の上田理子さんはお休み)

▼他のメンバーの親指が前に突き出すような位置にあるのに対して、希山愛さんの親指は人差指に沿って位置しているのがわかると思います。

この指の位置について興味を持っていただいたようでした。

手の力みが解消した証

この手の形ですが、手の開発が進み力みが解消していくと自然に親指がこの位置になってきます。

意識が強いとそれが筋肉の力みになります。力みが強いとどうしても親指を突き出したくなるわけですね。

上の画像のように手首を曲げて手のひらを突き出すポーズをしてみるとよくわかりますが、大抵は親指の意識が強いので親指を突き出す傾向にあります。それが希山愛さんの場合にこのポジションでも親指が人差指と沿った位置にあります。

これからわかることは希山愛さんは親指への意識がかなり少ないということです。

これはダンスでもこの傾向があります。もちろん、親指を突き出すような表現をすることはありますが大抵は親指を突き出すことはほとんどありません。

1年前にこのことをお話しした際には、僕の理解もそこまでではなかったのでなかなかピンとこなかったようでしたがそれでもオステオパシー誇張法で非常に重要となる指の使い方なので印象に残っているようで話題に上げていただきました。

施術の身体使いの評価

オステオパシー誇張法は背骨への施術では親指を使用します。

この際に指に力みがあると受け手の無意識的な防御反応を発生させてしまうのでなかなか緩みません。

「力む」よりも「脱力」した方が良いということはオステオパシー誇張法を行なっているなら全ての方が認識しています。

難しいのは適切に指が使えているのかを判定することです。

但し、その手法をスクールでも他のセミナーでも習った記憶はありません。

これだと自分が現在どのレベルにいるのかが不明です。上達しているのかも定かではありません。

そこで個人的には「合気」が指や身体の使い方の判定として使えるのではと考えています。

「合気」とはこちらと相手がつながった状態(気が合った状態)のことを言います。合気道や合気柔術で知られていますが、現象としては武道・武術に限ったものではなくダンスやスポーツにも合気現象は明確に存在します。

施術の身体使いの評価としてわかりやすいのが「触れ合気」「指合気」と呼ばれるものです。

触れ合気

相手と自分の手のひら同士をくっつけた状態で、相手の手のひらをこちらの手に吸い付かせる現象。

指合気

こちらの指を掴んだ状態で相手の体幹を崩す現象。

この「触れ合気」「指合気」をその場にいたお二人に体験してもらいました。

オステオパシー誇張法と相性が良い

僕の拙い合気ですが興味を持ってもらえたようでした。

まだこの当時は「橈骨の抜きポジション」と「尺骨の抜きポジション」のセッティングを見つける前(この数日後に発見)でしたので、セッティングを見つけていたら合気を受けるだけでなく、施す体験もできたと思います。

話の流れでこうした合気系のデモンストレーションを行いましたが、よくよく考えてみるとオステオパシー誇張法と「触れ合気」「指合気」は本当に相性が良いと思います。

オステオパシー誇張法は関節の動かしやすい方向を見つけてその方向にほんの少し動かし暫くその状態を維持させるというものです。

複雑なテクニックは存在せずに“感覚”が重要視されます。

問題なのがこの“感覚”です。

“感覚”という個人の主観なので個人間での再現性がかなり低いのです。

それが、相手を崩す合気現象を指標とするとこの“感覚”がある程度共有できます。

少なくとも相手を崩すという現象が共通しているので、その時の“感覚”でオステオパシー誇張法も行うと施術の効果が変わる、上達に役立つ可能性があります。

広義の「合気」というのは武道・武術のみではなく人間の活動全般に存在している人と人との“状態”のことですから応用は可能ですね。

僕がオステオパシー誇張法を現在使用していませんが、「合気」の観点でトレーニングしていくとロルフィング®︎の個人セッションで活用している施術のテクニックの効果は明らかに高まるのを実感しています。

終わりに

上記でも記したように個人的にはオステオパシー誇張法は現在ロルフィング®︎では使用していません。

ですが、今再度学ぶとしたら以前よりも格段の速さで習得はできるように感じています。

それは動作トレーニングの知見がスクールを卒業してから大幅に増えたからです。

もちろん、オステオパシー誇張法自体の練習はものすごく重要です。練習せずに習得はありえません。但し、単に練習時間を増やしてもどこかで伸び悩む段階が生じます。

これは伸び悩む要因が「技術の手順を知る」という段階から施術での身体の使い方の段階に入った為だと思われます。

このまま練習(実践)を継続するのもよいのですが、動作トレーニングとして施術の前提となる素の身体の使い方を向上させてしまった方がかなり効率的だと個人的に考えています。

20年の実践を経て高度なオステオパシー誇張法を身につけることは当然価値があると思いますが、僕はその道は選択しないと思います。

より効率的に、最短で身につける方法を選びます。

そうした方法論を僕のロルフィング®︎やムーブメントでは探求しているのですが、その評価として「合気」は使えるし、あるレベルの「合気」が使えると施術力は向上するということをオステオパシー誇張法をきっかけにして改めて思いました。