はじめに
現在「ロルフィング®︎のたちばな」では軸をより明確にする為に4つに分類しています。
⚫︎内側軸:1軸
⚫︎中間内軸:2軸
⚫︎中間外軸:3軸
⚫︎外側軸:4軸
の4つです。
今回のテーマである「内側軸」とはカカトから親指の付け根(母指球)にかけての部位を体重を支える点(支持点)として主に使う「軸」です。「1軸」とも呼んでいます。
▼赤矢印が「内側軸」
日本人の文化的軸感覚はこの「内側軸」になります。
内側軸特徴
⚫︎左右への重心移動がしにくい
⚫︎前方への重心移動がしやすい
⚫︎体幹が動きにくいポジションなので体幹を固定してつかう傾向にある
⚫︎中心軸感覚が高まる
⚫︎中心軸を通る正中面を起点にして身体を使う
⚫︎膝は母指球に向く
日本で「軸」「中心軸」と言われることがありますが、これは「内側軸」により身体の中心にライン上の軸感覚ができた状態を指していると思われます。
「内側軸」はその特徴上、体幹を固定して使う傾向があります。
「内側軸」を活性化させた状態で身体を左右にゆすってみると体感しやすいのですが、明確に身体の中心を感じることができます。そして、客観的に外部からその身体を左右にゆすっている姿を見てもらっても中心に何かが見えます。
これが日本人の言う「中心軸」だと個人的に考えています。
この「内側軸」を使って立つと脊柱が反る傾向になります。そこで頭部を前方にシフトさせる、もしくは顎を引くことでバランスが取れます。意識の方向性は地面になります(上空ではないというのが重要)。
日本人は猫背、屈筋優位だと指摘されることが多々ありますがそれはこうした内側軸の文化によるものと考えると説明がつくのではと思います。
そしてこうした姿勢だと着物がよく似合うのです。
宮本武蔵の自画像では頭部が前方にでていることが指摘されていますが「内側軸」で立ち方をすると頭部をほんの少し前方に移動させるだけで前方に移動しやすくなります。
「五輪の書」に書かれている教えと「内側軸」の特徴を比較すると面白いと思います。別の「中間内軸」「中間外軸」「外側軸」ではあてはまりません。
こうしたことがわかってくると「軸」と言っても日本の軸(内側軸)とバレエといった西洋のダンスで重視される軸は厳密的には異なるということです。
バレエは「中間内軸」と「外側軸」のミックスだと考えられます。全く特徴の異なるジャンルにいきなり「内側軸」を使うと矛盾してしまいパフォーマンスが向上するどころか、むしろ低下させる原因になります。
各競技、各ジャンルには各々にあった「軸」があり、まずはその同じタイプの「軸」を身につけることにより上達が早まります。
ダンス
⚫︎日本舞踊
⚫︎阿波踊り
⚫︎歌舞伎
⚫︎能
など
いずれも正中線を起点にして動きます。
歌舞伎の六方は「内側軸」を使うと明確にやりやすくなります。
クリスチアーノ・ロナウド
サッカーのクリスチアーノ・ロナウド選手は非常にわかりやすい内側軸タイプです。
身体の上下を一本の棒を貫いたような中心軸中心のプレイです。
▼の2つの動画を見ると直感的にわかりやすいと思いますが、身体の中心軸を起点としてボールをコントロールしています。ある意味他のトップ選手の動きを見慣れていると違和感のあるプレイに感じるのではないでしょうか。
▼ドリブルのシーン。一本の棒が突進しているように見えます。これが内側軸タイプの特徴です。左右の切り返しは構造的に苦手ですが、前方方向へジグザグに切り分けていくようなプレイになります。
▼切り取り前の元動画です。
おまけ
上記のように内側軸タイプのサッカー選手はジグザグに前進するようなプレイになるようです。
僕自身、サッカーについてはあまり詳しくはないのですがそれでも内側軸タイプの選手のプレイでは左右の切り返す動きは見たことがありませんし、内側軸を使うと左右の切り返しはものすごくやりにくのを体感できます。
もし、内側軸タイプで左右の切り返しを効率的に行う際には▼のような動作が考えられます。
簡単に解説すると、足の指を外側に開いてから骨盤をその方向へ動かすというものです。スポーツではあまりみない動きの質になりますが、内側軸を身につけるとこういった動作がものすごくしやすくなります。
動く気配がなくなりますからサッカーに応用すると面白いかもしれません。
終わりに
これから残りの3つの軸の説明も行なって行く予定ですが、実際には4つの軸を疑似体験した状態で例えば、ダンスやサッカーなどの動きを各軸を使って見様見真似でよいので行なってもらうと非常に理解が深まりますね。
タイプにあった動きはしやすくなりますが、合わないものは本当にできません。
2019年10月12日(土)、13日(日)開催の軸トレーニングWS「重心コントロール」基礎・応用では、こうした4つのタイプの軸についての解説とトレーニングをご紹介します。
ご興味ある方は是非ご参加下さい。
詳細は▼リンク先をご覧下さい。