はじめに
大学時代に合気道部に所属していたこともあり、合気や合気道の技も研究対象としています。
「誰でも確実に上達できる」ということを念頭に入れてセッションや動作トレーニング、技術指導を行なっています。
今回は、誰でも合気道の小手返しをはじめとした体捌きの練習に役立つ道具、通称『誰でも小手返し君』をご紹介したいと思います。
取り組みのカテゴリー分け
合気道をはじめとしてあらゆる分野に言えることですが稽古(練習)すれば上達するかと言えばそのようなことはありません。
上達する為の取り組みとしてはいくつかのカテゴリーが存在します。このカテゴリーを理解することで計画的に上達することが可能になります。
簡単に取り組みをカテゴリー分けすると以下の3つに分けることができます。
❶技術:道場での稽古
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❷術理:技術の前提となる身体や意識の使い方
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❸素の身体の使い方:身体や意識を使う土台
上位の要素の上達できるレベルは下位の要素が制限となっています。
つまりは、❶技術を身につけるには、❷術理ができないとレベルの高い技は使えません。また❸素の身体の使い方が低ければレベルの高い術理は使えない、ということです。
合気道あるあるですが稽古量に比例して上達することが難しい側面があります。この理由としては、道場の先生が自身が使用している「❷術理」を明確には知らないことが挙げられます。
なので自身の技を生徒に伝えることができません。
道場の先生によっては自身が行なっている術理と教えている術理が全く異なっているというケースも見受けられます。
これでは熱心に稽古(練習)しても思ったような上達をすることはできません。
心身についての仕組みがわかってくると、合気道の稽古システムはかなり合理的に構築されているということが理解できます。
合理的な稽古システムなので、術理を適切に使うことができれば意外にも簡単に技をかけることができます。
今回紹介する『誰でも小手返し君』を使うことで「❷術理」を使い誰で体捌き系の技をかけられる、もしくはかけやすくすることができます。
もちろん、これは合気道に限定されたものではなくスポーツやダンスなどどの分野でも応用することが可能です。
誰でも小手返し君
『誰でも小手返し君』とはこのようなものです。
リング状の形で肩に装着できるサイズならばなんでも良いです。
こんな感じで使います。
『誰でも小手返し君』を使うことで身体で「円」の動きが自然に表現できるようになります。
この円の形が「ガイド」となる分けです。円で動くと相手に察知されづらくなり、合気道の型通り動くことで相手の体勢が崩れてしまい、手首の関節を極めなくとも体捌きによって相手を崩すことができます。
道具を使わない小手返し
『誰でも小手返し君』を使わないとこんな感じになります。
何回か使って技をかけた後に道具を外して同じように小手返しを行なってもらいました。
▲の動画を見ていただくとわかりますが、1回目は意外と体勢を崩すことに成功しています。
トレーニングに使う
合気道の小手返しについては大学時代は全くできませんでした。
確かに同じような体格の相手ならば関節を工夫して決めればそれっぽくなりますが、小手返しを知っていたり、体格が上回る相手にはなかなかかけることが難しかったのです。
それが身体の仕組みについて研究が進み、体捌きの感覚を誰でも疑似体験してもらえる方法(道具)を見つけました。
実際に『誰でも小手返し君』を使う方法は、まずはこれを使用して道具を使わなくても、「円」の動きを身につけるトレーニングを行う必要があります。
感覚が身につけば上記の動画のように実際に技をかけて自由に「円」の動きができるように身体に馴染ませていきます。
技への抵抗力
合気道を行うにあたって重要になるのが技への「抵抗力」をつけることです。
道場内、仲間内では上手く技をかけられるのに外部の人間には全く技をかけることができないケースが多々見受けられます。
これは、技にかからない「抵抗力」を高める取り組みをしていないからです。
▼は「抵抗力」のある相手に対して『誰でも小手返し君』を装着して小手返しを行なってみたシーンです。
まず手ほどきができません。
「抵抗力」があると掴むプレッシャーも強くなるので、この動画では焦ってしまい前腕を掴んでしまっていますね💦
これは別に小手返しにかからないようにしているわけではなく、自然な反応として体幹が全く崩れなくなる為です。
「抵抗力」がある人にも技がかけられるように研鑽すると外部の人にも技がかけやすくなると思われます。
抵抗力を高める方法
「抵抗力」を高める「❷術理」もありますが、上記で説明したカテゴリー「❸素の身体の使い方」を鍛えることで自然に高まっていきます。
さらにこの「❸素の身体の使い方」の能力が高まることで合気道の技は自然にかけやすくなります。
ロルフィングのたちばなでは、この「素の身体の使い方」を向上させるセッションを提供しています。
⚫︎神経リンク
⚫︎無軸トレーニング
⚫︎骨力体トレーニング
を受けていただくと合気道の役に立つと思われます。
達人技と言われるような現象が当たり前にできてしまいますね。
終わりに
「ロルフィングのたちばな」では再現性・継続性・発展性のあるセッションを提供しています。
術理に関しては今回ご紹介した「誰でも小手返し君」だけでなく、多数あります。
別に術理に関して合気道のような武道に限定して役立つものではなく、スポーツ、ダンス、施術にも大いに使えるものです。
ただ合気道の技が術理の効果を実感するのに非常にわかりやすいですね。
例えば、「某術理」は一教からの抑えでは痛くなくとも触れているだけで抑えることも可能です。
受けた感覚としてはよくわからないけども力が入らなくなるんですね。
術理をいくつかトレーニングで身につけた相撲を行なっている小学生の女の子のクライアントさん相手では、真剣に耐えてもサラッと投げられてしまったりします。
「素の身体の使い方」のレベルがある一定レベルにならないと使うのが難しい術理もありますが、軸トレーニングでお伝えできることもあるのでご興味ありましたらお問合せ下さい😁