試合に勝つよりも上達がしたかった

先日Twitterにて▼の漫画が回ってきたのでご紹介します。

高校野球部での話です。

個人的なことですが、高校野球部時代、10人しか同期の部員はいなかったのに一人だけ練習から外されてブルペンキャッチャーなどをやらされて練習をさせてもらえなかったので漫画の状況がよくわかります。

指導者が「人は上達できる」ということを知らないとこうした短絡的な思考法になるのではないでしょうか?

▼漫画のこの部分は根本的に誤りです。

勝つことを考えたら
『全員野球』なんて
無理ですよ!
ウチはただの公立校なんですから。

限られた環境と時間で強くなるしかない。

出来る奴をさらに強化する方が合理的なんです。

工夫によってチーム全体が強くなる方法はいくらでもあります。

漫画での環境では部員数が多い状況が見て取れますが、部員数が多ければ、チーム内でいくつからのグループに分けて練習を組むことが考えられます。

また、グループ毎に紅白戦を繰り返すことで部員全員が実戦経験を積むことができます。

実際にこのようなやり方で選手を育てて結果を出している高校野球部があります。

練習や試合経験がなければその選手の可能性はゼロですが、適切な取り組みを継続するならばある時点で能力が開花する時期が訪れることもあります。

現在、ロルフィング®︎や軸トレーニングを探求してきてわかるのですが、意外と手付かずな能力というものは多くあります。筋力トレーニングをすればどんなにガリガリな人も筋肉がつくものですが、野球などの能力も同じことです。

練習やトレーニングを工夫するだけで、それまで表に出てこなかった能力を開花させることは可能です。これははっきり言えますが事実です。

個人的には、必ずしも試合に勝てなくとも上達を実感できることの方が大切な気がします。なにより楽しいわけです。
※各都道府県の代表校以外は必ず負けます。

そして、練習やトレーニング方法について工夫をしていくメリットは、ノウハウが蓄積していくので、時間を経るにしたがいどんどんその効率性や再現性を高めていけるということです。

僕が高校生の時の部長が、高校卒業してから約10年後に野球部監督になっていましたがノウハウが全く無いのでひどい状況になっていました。

僕が現役の時は野球推薦で10名以上が入ってきていました(僕も推薦組です)が、高校が野球部に力を入れなくなり野球部の推薦枠がなくなりました。

するとどうなったかと言うと途端に試合で勝てなくなりました。1回戦負けも珍しくなくなりました。公立校にも負けています。

ちなみに、立派なグラウンドがあり毎日練習できる環境でのこの結果です。

結局、以前は有望な選手に依存して勝てていたわけで、その有望な選手に依存できなくなりノウハウが全く無いことが露呈したということです。

1回戦負けでかなり当時の部長の先生はショックだったようですが、客観的に見て全く不思議に思いませんでした。

選手を育てる(上達させる)という観点の欠如による旧態依然とした非効率的な練習の結果になります。