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【機能的姿勢】地面とつながる「尾骨操作」「仙骨操作」「胸骨操作」

2023年4月1日(土)にサンクチュアリ出版社様からのご依頼によりイベントを開催します(今回で2回目)。

今回の記事で触れている「機能的姿勢」を身につけるトレーニング方法をご紹介しますのでご興味ある方はリンク先をご確認下さい。

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はじめに

「ロルフィング®︎のたちばな」では「4つの支持軸理論」を提唱しています。

支持軸ごとに適した姿勢が存在し、4つのタイプがあることがわかっています。

それぞれの支持軸(1〜4軸)において機能する姿勢を「機能的姿勢」と呼んでおり、それぞれ明確なポイントが異なり、支持軸に適した姿勢にならないと身体を機能させることはできません。

今回はこの機能的姿勢についてご紹介します。

地面とつながるポジション

改めて「機能的姿勢」と名前をつけて呼んでいるのはこの「機能的姿勢」がとれた時に特徴的な現象が起こるためです。

他者に手首などを掴んでもらった状態で「機能的姿勢」になることで地面と身体が通る感触が生じます。

この地面とつながりがある状態では手首を掴んでいる相手を簡単に崩すことが可能になります。

個人的にはこの簡単に相手を崩せる身体が人間本来の身体の使い方だと考えています。

そしてこの「機能的姿勢」は1〜4軸で明確に異なるというのが非常に重要なポイントとなります。

下記はそれぞれの支持軸での機能的姿勢になる為の身体操作になります。

❶1軸(内側軸):尾骨前方操作(尾骨操作)
❷2軸(中間内軸):仙骨後傾(仙骨操作)
❸3軸(中間外軸):胸骨前方操作(胸骨操作)
❹4軸(外側軸):仙骨前傾(仙骨操作)

それぞれの「機能的姿勢」が通ると面白い現象が起こります。

この現象を使って実際に「機能的姿勢」ができているかの評価方法を▼にご紹介します。

1軸の空手のサンチン動作、2軸の太極拳の起勢(チーシー)の動作は某武術雑誌に掲載されていたのを試してみたところ「機能的姿勢」を取ることで再現できてしまったのがきっかけです。

1軸の評価

⚫︎両手首を掴まれた状態で空手のサンチンの動作(腕を交差させて外側に開く)を行うと簡単に相手の抵抗を無力化できる。

⚫︎合気道などで相手に手首を掴まれた状態で「機能的姿勢」をとった状態でさらに尾骨を自由に動かすとそれだけで相手はこちらの自由に動いてくれる。

2軸の評価

⚫︎太極拳の起勢(チーシー)の動きを両手首を掴まれた状態で行うと、「機能的姿勢」ができた途端に簡単に相手の手首を持ち上げたり、相手を膝から真下に崩すことができるようになる。

3軸、4軸の評価

残念ながら3軸、4軸の評価は見つかっていません。

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ダンサーでも難しい

結論から先に言うと1〜4軸全てで「機能的姿勢」のポジションをとるには骨盤を後傾(骨盤上端を後方に転がす)もしくは前傾(骨盤上端を前方に転がす)にする必要があります。

ではなぜ「尾骨」や「仙骨」、「胸骨」といった別の用語を使用するかといえば、一般的に骨盤の前傾・後傾という用語では「機能的姿勢」のポジションを取ることが難しいからです。

これは日々身体を自由に動かすトレーニングを行っているダンサーでも非常に難しいことです。

実際に自分自身、ストリートダンスを学んでいた時期があり一般的には身体を自由に動かすことができます。

ですが、ダンス的な骨盤の操作と「尾骨操作」「仙骨操作」「胸骨操作」は全く異なる解釈なので、ダンスを学んでいる当時武術で言うところの「仙骨を入れる操作(仙骨操作)」が全くできませんでした。

ダンス的な骨盤操作では腰椎から骨盤を扱う為に腰椎部分で力が抜けてしまうのです。これは陸上競技の走りでは脚が抜ける現象を生じさせます。

ダンスの骨盤操作は腰椎1〜5番全体を使い骨盤を動かすのに対して、仙骨操作はより下の腰椎5番と仙骨の関節(腰仙関節)のレベルで骨盤を操作する必要があります。

解剖学的には同じ「骨盤傾斜」という用語でもその内容が異なるので、実践面では上手くいかないのです。

その為に、

⚫︎尾骨操作
⚫︎仙骨操作(前方・後方)
⚫︎胸骨操作

といった独自の用語と定義が必要となります。

動作ポイント

▼が1〜4軸、ダンスの骨盤操作をする為の動きのポイント(動作ポイント)となります。

線青色:3軸の「胸骨操作」の動作ポイント
丸緑色:ダンスでの「骨盤操作」の動作ポイント
線赤色:2軸、4軸の「仙骨操作」の動作ポイント
線黄色:1軸の「尾骨操作」の動作ポイント

再現性あるトレーニングの必要性

実際には動作ポイントがわかってもその動作ポイントをピンポイントで動かすことは難しい作業となります。

各機能動作を認識できれば自由に行うことができますが、実際に自分の身体で身体を操作できないとその認識ができないと言う論理的構造になっています。

なので、武術では「仙骨を入れる」と言う用語があっても多くの人はその操作ができずに長年悩み、できない人は数十年稽古を費やしても身につかないと言うことが起こります。

ここでこうした様々な身体操作を身につける為にはできるだけ「再現性」の高いトレーニングが必要となります。

結果的にその動作ポイントで動かざる負えないポジションでトレーニングを行うことで誰でもこうした身体操作が簡単に身につけることができます。

そして「ロルフィング®︎のたちばな」では、

⚫︎尾骨操作
⚫︎仙骨操作
⚫︎胸骨操作

の具体的なトレーニング方法は開発しております。

驚かれることが意外

セッションのメニューの「神経リンク・シリーズ」には「仙骨操作」のトレーニングなどが含まれています。

意外にも武術を学ばれているクライアントさんが驚かれるのはこうした「仙骨操作」のトレーニングだったりします。

普段の稽古で骨盤(仙骨)の操作を色々と工夫されて稽古されているので、結果的に思った通りの仙骨操作ができるトレーニング方法の発想に驚かれます。

そのクライアントさんが驚く姿にこちらは驚いてしまいます😅

自分も悩んで開発したトレーニング方法ですが、今では当たり前にできてしまっているので大したものではないように感じているので、、、、。

1軸での仙骨操作は「機能的姿勢」ではない

ちなみに1軸や3軸でも仙骨操作で仙骨を入れる(仙骨を前傾にする)ことで体幹が強化される現象が起こります。

注意点なのですが1軸、3軸での仙骨操作は「機能的姿勢」ではないと言うことです。

武術やスポーツでは恩恵がある可能性がありますが、ダンスでこの操作を行ってしまうと動けるのですが全くダンサーとしての魅力がなくなってしまいます。

色々と検証していくとあらゆる身体的取り組みにおいて機能する(パフォーマンスが向上する)と言うのが「機能的姿勢」と定義するとダンスで機能しないと言う理由でやはり「機能的姿勢」ということはできません。

実際にはかなり特殊な感覚で機能的姿勢を体感した人は直感的に「機能的姿勢」とは別物という判断になるようです。

終わりに

「4つの支持軸理論」が面白いのは4つのタイプに分けて一つづつ検証していくとそれまでできなかったことが当たり前のようにできるようになることです。

上記で触れた空手のサンチンや太極拳の起勢(チーシー)での対人での崩しについて雑誌に載っており、学生時代実際に試したことがありますが全くできる気配がありませんでした。

それから20年ほど経過してふと思い出して「4つの支持軸理論」の知見を使って行ってみると呆気なくできてしまう(現象として明確な違いが出る)。

そして、さらに面白いのはその現象は自分自身だけでなくクライアントさんにも起こるということです。

動作や姿勢の支持軸タイプが分かれば、その支持軸を身体に通して実施すれば誰でも再現できるようになります。

もちろん、動作によっては難易度が高いものも存在します。支持軸に適した動作自体ができない場合には残念ながら再現はできませんが、それでも施術の応用で徒手でサポートするとできる体験をしていただけることができます。

自分は学生時代に捌き系の空手を学んでいました。

その流派では相手の道着の袖を掴んで相手を引き倒す基本的な技があるのですが、型稽古でも相手が真剣に抵抗されると全く技をかけることができませんでした。

その空手は1軸タイプなのですが、1軸の「機能的姿勢」を身体に通して行ってみると軽く袖を掴んだ状態でも軽く相手を転がすことができるようになっていました(相手は柔道をされていてウェイトトレーニングで身体を鍛えられているクライアントさんです。)。

こうした身体操作ができた状態でご自身が学ばれている競技(スポーツ、ダンス、武術など)を練習することで効率的に上達することができます。

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