はじめに
肩周りの筋肉がゆるむポジションである「肩関節の抜きポジション」を活用した施術テクニックを向上させています。
カテゴリー的には「他動的ストレッチ」になりますが、ロルフィング®︎での肩周りの脱力や開発がより進むようになりました。
上肢帯の構造として画像のように鎖骨の一端が胸骨が付着して、鎖骨・肩甲骨は自由に動くような構造をしています。その為に自由度が高いのですが、その反面、胸郭上口と呼ばれる肋骨上部の空間を通る神経や結果を押し潰す可能性も大きくなり手先などの痺れの原因となることが考えられます。
「肩関節の抜きポジション」は基本のポジションを指し示す意味と、この胸郭上口を通る神経や結果のスペースを保ったまま鎖骨・肩甲骨を可動させるという状態の2つの意味があります。
徒手操作で筋肉を自然に伸ばす
ロルフィング®︎では徒手操作で基本の「肩関節の抜きポジション」に肩の位置を誘導ししばらくの間軽くストレッチさせます。するとこれだけで筋肉が自然とゆるんでいきます。更にスクラッチ・テクニックを使い僧帽筋や肩、腕の筋肉に刺激を与えるとよりそのスピードが高まります。
最近加えている工夫としてはよりテコを働かせて「肩関節の抜きポジション」でストレッチをさせる時間を長めに行うとより効果が高まるようです。
決して無理やりには行いません。
目的
この「肩関節の抜きポジション」を徒手操作でストレッチさせる目的はこのポジションの習得です。
鎖骨や肩甲骨を動かす際に余計な力みを発生させてしまいます。特に「肩関節の抜きポジション」は“抜く”と表現されるように構造的に抜くような位置なので余計な力みも強くなる傾向があります。それが、徒手操作でこのポジションに他動的に動かしてあげるとその余計な力みを発生させずに鎖骨と肩甲骨を適切なポジションに置くことができます。
そして、その状態を脳に学習させ身体に身につけることを意図します。
効果
- 腕と体幹が「視覚的」「構造的」「機能的」につながる
- 腕を他者に掴まれた際の過敏な筋緊張が無くなる(マリオネットのような身体使いになる)
- 腕の脱力が深まる
- 肩が下がり相対的に頭部・胸郭が引き上げられる
- 肩甲骨の内側から腕が使えるようになる
体感
「肩関節の抜きポジション」が身につくと、まさに肩甲骨と肋骨が分かれる感覚が生じます。ダンスの横に腕を開く表現では腕の重さが首の付け根にしっかりと乗ります。肩周りの力みがあるとその部分で腕を支えるので首の付け根には重みがかかりません。僧帽筋や三角筋に重みがかかり努力感が必要となります。
目下の目標
目下の目標としてはバレエの「ウリヤーナ・ロパートキナ」レベルの上肢の使い方を誰もが身につけられる方法論の開発です。
↓ウリヤーナ・ロパートキナ:瀕死の白鳥
トップレベルのダンサーでも肩の緊張が目立っているケースは多くあります。
このレベルの表現を練習のみで身につけるのは論理的に不可能でしょう。そもそも土台となる肩の力みが解消できない段階練習を積んでもそれは筋肉の過度な緊張がある前提での技術的表現で止まってしまいます。
「肩関節の抜きポジション」を活用した徒手操作をよりアップデートして目下の目標に一歩でも近づけるようにしていきたいと思います。
今の徒手操作のレベルでも僕自身が定期的に受けることができたなら、自分の上肢の身体操作がロパートキナにもっと近づいているだろうと思います。自分では自分に徒手操作ができないのが残念な点ですね。その分、ムーブメント・エクササイズを進歩させる原動力になるのでプラマイ・ゼロでしょうか^^;