ロルフィングとは10回の施術で全身を整えるアメリカで開発された整体(ボディワーク)です。

素の身体の使い方

スポーツ、ダンスのパフォーマンスの前提条件

“素の身体の使い方”は、
「技術」「力」「心」を上手く使う道具

トレーニング理論の盲点

「ロルフィング®︎のたちばな」はスポーツやダンス、武道などの分野で通用するロルフィング®︎を探求しています。その際に重要な考え方となるのが「ロルフィング®︎のたちばな」が提唱する“素の身体の使い方”です。

素の身体の使い方とは?

“素の身体の使い方”とは、無意識的な身体の使い方のことです。一般的には「軸」「脱力」「骨を使う」「身体の奥から使う」「センス」「才能」などと呼ばれることがあります。現代のスポーツ科学やトレーニング理論では未だ認識されておらず盲点となっていますが人間の能力の根幹を形成する要素であり、トップレベルのアスリートやダンサーなどは高度な“素の身体の使い方”を身につけています。

通常、スポーツやダンスなどの「技術」と混同される傾向がありますが全く異なる概念(考え方)であり、専門的なトレーニングをしないかぎり競技の練習をしても向上しにくい要素です。

技術や筋力・持久力、戦術、バランス、メンタルトレーニングなど人間のあらゆる身体活動に影響を与えます。

例えば

  • 専門技術を練習する際に力みが大きい状態よりも適切に身体に軸を通して力みが抜けた状態で実施すると上達が早まりますが、この力みの強弱が“素の身体の使い方”の質になります。
  • 筋力は十分にあるのに力の発揮の仕方がわからずに腕立て伏せが一度もできない方に対して刺激を与えて“素の身体の使い方”を変化させるだけで、その場で腕立て伏せが数回できるようになることもあります。
  • 高度な“素の身体の使い方”を身につけることにより様々な発想が閃くようになります。これはプレイ中(無意識的に反応できる)もそうですし、動作トレーニングの内容についても新しい発想が湧いてきます。

このように“素の身体の使い方”は「技術」「力」「心」を上手く使う為の道具的な役割を担います。

“素の身体の使い方”を高度に高めてもスポーツやダンスのパフォーマンスはそれだけでは向上しません。なぜならば、上記の説明にあるように“素の身体の使い方”とは「技術」「力」「心」を上手く使う為の道具である為です。

適切な練習やトレーニングを経験している場合には“素の身体の使い方”を改善させることでそれまでの積み重ねてきた経験や技術を十全に活かすことができるので一気にパフォーマンスを向上させることが可能です。また、“素の身体の使い方”をあるレベルで身につけている場合には新しい何かを学ぶ際の上達率が飛躍的に高まります。これは練習の精度が高まる為です。

ロルフィング®︎では元々この“素の身体の使い方”にアプローチしますが、「ロルフィング®︎のたちばな」ではより専門的な手法でアプローチします。

“素の身体の使い方”の向上で身につくもの

“素の身体の使い方”が向上していくと自然と下記のような身体になってきます。

①所作が美しくなる(視覚的効果)

全身がまとまる(統合される)ことにより動きのバランスが整ってくる為です。バランス感覚が向上し努力感無くバランス能力が高まり、不安定な場面で通常なら筋肉を過度に緊張させるようなポジションでも力まず居られるようになります。また、「頭部リンク」「肩関節の抜きポジション」「股関節の抜きポジション」と呼んでいる頭部・腕・脚の各部と体幹がつながった状態になると直接的に美しい表現になります。

②重心の伝達がスムーズになる(構造的効果)

一般的な身体の使い方では移動する・身体を動かす際にその場に無意識的に留まろうとする身体の反応が起こります(武道ではこれを「居着き」と呼んでいます)。“素の身体の使い方”が向上していくとこのその場に留まろうとする反応が消失していき重心の移動がスムーズになります。空手などの突き動作がわかりやすいのですが、重心を数センチでよいので移動させ突きにつなげることができると想像以上の打撃力となります。これは実際に実験してみると面白いのですが、一般的な身体使いの人が助走をつけて思いっきり突くよりも重心を数センチ移動させるだけの方が打撃力が高まるのです。なぜならば助走で勢いをつけても突く際にせっかくの勢いを居着きによって止めてしまうからです。“素の身体の使い方”を向上させ居着きが消失すると当然助走をつけた方が強い打撃力となります。また、走る動作ではこの居着きの有無が大きく影響することを理解することは難しくありません。

③他者に感知されづらい動きになる(機能的効果)

“素の身体の使い方”が高度になってくると他者に感知されづらい動きになります。例えば合気道では相手の腕を掴んだ状態で技をかけることが多いですが一般的な身体の使い方では強く掴まれると技をかけることが難しくなります。ですが“素の身体の使い方”を高めると反応しづらい動きとなり全力で掴まれていても意外と容易に技をかけることが可能になります。マッサージなどの施術の場合、一般的な身体使いだと受け手の防御反応を引き出してしまい逆に筋肉を緊張させてしまっています。それが身体の使い方が高度になれば防御反応を起こすことなく施術を行えるので筋肉がゆるむのが早くなったり、全身への影響力を高めることが可能です。

身体のリンク・ポイント

“素の身体の使い方”という表現は筋力トレーニングという表現と同じです。筋力トレーニングには「スクワット」「ベンチプレス」という種目があるように“素の身体の使い方”も特定の動き・状態といった様々な種類があります。

身体には身体の動きが途切れてしまいやすい部位が多数あります。この部位で動きや意識が切れてしまうと身体の緊張や自由度を制限する原因になります。この身体が途切れやすい部位をリンク・ポイントと呼んでいます。

いくつも存在するリンク・ポイントの中で最も基本となり最優先で身につけるべき3つのリンク・ポイントがあり、これらを身につけることがダンスや武道でいうところの「軸」を通す最低条件です。

以下簡単に3つのリンク・ポイントを説明します。

①肩関節の抜きポジション(略して「肩抜き」)

肩関節の抜きポジションとは肩周りの筋肉がゆるむポジションのことを指します。このポジションを活用すると肋骨の上部を通る神経や血管が通る空間(スペース)ができ腕の痺れなどのエクササイズとして非常に有効なのですが、それだけでなく下記のように様々な意味で腕と体幹をつなげる効果があります。

⚫︎視覚的つながり:肩周りがゆるませた状態で指先まで腕をのばせるようになるのでダンスなどに有効。

⚫︎構造的つながり:体幹の重み(運動量)を腕に伝えることできるのでスポーツに有効。

⚫︎機能的つながり:腕を掴まれても力のでどころを察知されずらくなるので相手を容易に崩すことができる。合気道などの武道に有効。

肩関節の抜きポジションをエクササイズに活用するとそれだけで上肢の使い方が洗練され、腕を身体の奥から使うことが知識ではなく身体で理解できるようになります。

②股関節の抜きポジション(略して「股関節抜き」)

股間節の抜きポジションとは上記の肩関節の抜きポジションの下肢バージョンです。股関節周辺の筋肉がゆるむポジションで、肩関節の抜きポジションと同様に様々な意味で下肢と体幹がつながります。

特にこのポジションをエクササイズに活用すると股関節や大腿骨の意識が通り、股関節で地面を捉えるような下肢の使い方ができるようになります。これができるようになると「骨盤を割る動き」や「仙骨で脚をコントロールする」と表現される動きができるようになります。

③頭部リンク

頭部リンクは頭部と体幹をつなげるような身体の使い方です。これができるとダンスや武道で言う「頭部が吊られた状態」になります。頭部リンクの状態を作る為に頭部リンク・テクニックという頭部を引き上げる手法がありますが、これを行うことで誰でも「軸」が通るようになります。

この頭部リンクに加えて上記の2つである「肩関節の抜きポジション」「股関節の抜きポジション」を自由に使えるようになると一気に「軸」が強くなり、例えば掴んできた相手の力を抜いてしまうと言った常識的に考えると不思議な現象が起こります。

このような現象が起こせるようになると様々な分野に活用することが可能です。ちなみに、あらゆる分野である一定レベル以上の選手になるとこうした身体の使い方を当たり前に行っています。

ある一定レベル以上のパフォーマンスになると何をしても追いつくことができないと感じさせる大きな溝がありますが、その溝を埋める要素が“素の身体の使い方”という考えでありその最低限の条件が3つのリンク・ポイントです。

「ロルフィング®︎のたちばな」ではロルフィング®︎10シリーズの中で3つのリンク・ポイントを身につけるムーブメント・エクササイズをご紹介します。このムーブメント・エクササイズを取り入れてからロルフィング®︎による変化が数段階高まりました。

子供時代が1番身につけやすい

“素の身体の使い方”を身につけ易い時期は確実に幼少期です。年齢を経るにしたがい非効率的な身体の使い方を学習してしまい、その染み付いた古いパターンを上書きするのにはそれなりの時間と労力が必要となります。

一般的に「子供は天才」と表現されることがありますが、幼少期(〜15歳)の子供達はどんな色にも染まる白紙の状態です。この時期に適切な“素の身体の使い方”を学習する機会があるとその後の運動人生はまるで変わってしまいます。

これはスポーツやダンスをしなくとも関係のあることでゆくゆくは生活習慣病予防や介護予防にもつながっていきます。

ロルフィング®︎10シリーズを受けられ“素の身体の使い方”の可能性を実感されたクライアントさんがよく話をされますが「これを小学校時代に身につけたかった」ということです。

ゆくゆくは学校義務教育にどのような形でもよいので“素の身体の使い方”を学ぶ機会を導入できればと夢見ています。

各種テクニック

“素の身体の使い方”を身につける上で助けになるのが各種のテクニック、原理、道具です。人間の盲点をついたもので適切な状態を疑似体験できるので、エクササイズなどに活用することにより効率的に“素の身体の使い方”を習得することが可能になります。

例えばシナジー・テクニックは手の握りによって身体をつなげる反応を引き出すテクニックですが、手の形によって特定の指と前腕の橈骨や尺骨をつなげた動きを身につける助けとなります。

下記の各種テクニックは、ロルフィング®︎10シリーズ、アドバンスト・ロルフィング®︎では適宜活用していきます。

  • 各種シナジー・テクニック(手・足)
  • シナジー・サポーター(道具)
  • 皮膚刺激法
  • 顎テクニック
  • 頭部リンク・テクニック
  • 受動知覚テクニック
  • 吊垂縄の原理
  • 波の原理