はじめに
本ブログでは、前拍感覚を「ダンビート感覚」、後拍感覚を「アフタービート感覚」と呼び、この2つを総称して「ビート感覚」、考えをまとめたものを「ビート感覚理論」と呼んでいます。
❶前拍感覚(ダウンビート感覚):ダウンビート、頭重心、オンビート、縦ノリ
❷後拍感覚(アフタービート感覚):アフタービート、バックビート、オフビート、横ノリ
のように対応する用語と関係が深いと考えています。
※書籍「黒人リズム感の秘密」の影響でダウンビート、アフタービートという用語を好んで使用しています。
1年ほど前に前拍感覚(ダウンビート感覚)と後拍感覚(アフタービート感覚)の2種類のリズム感を人間は生理学的に持っていることを発見しました(つまり、リズム感の一部は練習などで身につけるものではなく元々そのシステムを持っているということ)。
当初は何もわからない状態で、ダウンビート感覚だと前拍(奇数拍)で手拍子しやすい、アフタービート感覚だと後拍(偶数拍)で手拍子が取りやすいということしかわかっていませんでした。
そこでYouTubeで調べたところ発見した動画に多大な影響を受けて、ビート感覚の理解を深めることができ「波形」として表現できるようになりました。
本記事では、各ビート感覚の波形やそのリズムについてご説明したいと思います。
ダブル鍬システム
大きく影響を受けた動画は▼になります。
この動画の「ダブル鍬システム」というリズムの表現方法が自分の理解を促進させビジュアル化(波形化)させることができるました。
「ダブル鍬システム」とは▼になります。
この音の感じ方・取り方が自分の感じているビート感覚と一致しました。
そして波形として表現したのが▼になります。
ダウンビート感覚では奇数拍(前拍)で深く音を取るのに対して、アフタービート感覚では偶数拍(後拍)で音を深く取るということになります。
深く音を取るということは、その拍は少し遅れて音を取る傾向があるということになります。
自分はダンスとして関心を持っていますが、ダンスではアフタービート感覚曲の場合、偶数拍をあたり前のように遅らせて表現できるようになりました。音を遅らせることで粘りが出るダンス表現になります。
重要な点は、直感的に遅らせることができるということです。ダウンビート感覚でも偶数拍目を遅らせることは可能ですが直感的には気持ちよくありませんし、不自然に感じます。
また、ダウンビート感覚では偶数拍目は深く落ちていくことができません。そして、アフタービート感覚では奇数拍目で深く落ちることはできません。
そして、この波形を発見した最大の恩恵は、この波形のリズムを身体で表現することでビート感覚を自由に変換することが可能になったことです。
点と点の間の音が自然に取れる
自分はダンスの経験者ですがずっとビート(8ビート、16ビート)という点でしか音を取れていませんでした。
点(ビート)と点(ビート)の間にも音楽は表現されていますがその取り方が全くわからなかったのです。
それが2種類のビート感覚の波形を発見することで点と点の間の音楽にも乗れるようになりました。
それも、意識して音楽を聞く必要がなく勝手に音の流れに対して身体が反応してくれるような状態です。
上記の波形がジェットコースターとするならばまさにそのレールの上を滑っていく感覚で自由に音を取れるのです。
音楽に乗った状態をグルーヴというならばまさに「溝(みぞ)」にはまって音楽に身体を動かされているような感覚です。
そして面白いのが曲と自分のビート感覚を一致させないとこれが起こらないことです。
曲にもダウンビート感覚とアフタービート感覚があります。
ダウンビート感覚の曲をダウンビート感覚曲、アフタービート感覚の曲をアフタービート感覚曲と呼んでいます。
これは聞いた人の脳でどのように解釈されるのかという性質のものですのでどんなに偶数拍にアクセントがあるように聞こえる曲でも脳がダウンビートと判断するならばそれはダウンビート感覚曲ということになります。
これはアフタービート感覚曲も同じです。
ダウンビート感覚曲にはダウンビート感覚で聞いたり、踊ったりしなければ最大限には楽しめない。
アフタービート感覚曲にはアフタービート感覚で聞いたり、踊ったりしなければ最大限には楽しめない。
ということになります(技術やスキルの高低ではなく感覚の違いによる)。
ビート感覚によるリズムの違い
上記ではビート感覚のそれぞれのリズムの波形について説明しましたが、このリズムはダンスで言うところの8ビートでも同様に違いが生じます。
▼は「ダウンビート感覚」のリズムになります。
▼は「アフタービート感覚」のリズムになります。
とてもシンプルなリズムですが、こうしたシンプルな音にもビート感覚の性質があります。
基本的に「ダウンビート感覚」ではダウンビート感覚曲しか演奏することができず、「アフタービート感覚」ではアフタービート感覚曲しか演奏できません。
これは多数で演奏したり、音を組み合わせるとビート感覚の種類は変わる可能性があるのですが個人の生の演奏では身体のビート感覚の曲になります。
これはダウンビート感覚の人がアフタービート(バックビート)を強調してもダウンビート感覚曲にしかならず、アフタービート感覚の人がダウンビート(頭重心)を強調してもアフタービート感覚曲にしかならないことを意味します。
ビート感覚の判定方法
自分は今ではビート感覚の曲を判定できるようになっています。
「身体の反応」で判定します。
やり方は、
❶自分のビート感覚を設定
❷曲を聞く
❸身体の反応を確認する
というシンプルです。
自身のビート感覚と曲のビート感覚が一致していると力が出しやすい状態になります。
ですが、ビート感覚が不一致だと身体の力が入りにくくなります(この反応を「弱体化」もしくは「分散化」と呼んでいます)。
2人でチャックすると明確に違いが出ます。
例えた足を前後に開いて肘を曲げて腕を前方に出した状態で曲を聞きます(短時間で大丈夫)。そしたら他者に腕を後方に押してもらいます。力が出て耐えられれば一致しており、耐えられなかったり、力が入れにくかったりすると不一致です。
慣れてくると同様の原理で自分の身体でチェックできます。
自分は以前は脚で判定していましたが、今では腕でもできるようになりました。
これは身体の無意識的な反応なので主観は基本的には介在しません。
また難易度が上がりますがダンスなど曲に対してリズムを取って動くと違いが出ます。
ビート感覚が一致していると自然であり、不一致だと違和感が出ます。
これはダンスバトルではかなり重要な視点になります。
なぜならどんなに技量が高くとも自身のビート感覚と一致しない曲がかかるとダンスと曲が一致せず違和感が出るからです。
これはマイケル・ジャクソン(アフタービート感覚)でもこの原理原則からは自由ではありません。
マイケル・ジャクソン:アフタービート感覚
❶『Dangerous』:アフタービート感覚曲
▼はアフタービート感覚曲(マイケル・ジャクソンと一致)
❷『Beat It』:ダウンビート感覚曲
▼はダウンビート感覚曲(マイケル・ジャクソンと不一致)
ビート感覚が一致している❶では見事に曲とダンスが一致しています。
それに対してビート感覚が不一致である❷では音をよく聞いてダンスを見ると違和感を感じます。
ビート(点)とビート(点)の間のダンスと音が合っていないのが理由の1つです。
音をつけてダンスを見てから、音を消してダンスのみ見てください。ダンスの印象が良い方向に変わるかもしれません。
これがビート感覚の不一致状態ということです。
Queen – We Will Rock You
クイーンの「We Will Rock You」をバックビートだと考える方は多いようです。
ですが曲のタイプで言えば、「ダウンビート感覚曲」になります(頭重心)。
自分がこの曲を聞くと確かに偶数拍目を伸ばして粘りがあるように聞こえます。
ですが、偶数拍目に深く落ちていけません。
逆に奇数拍で深く落ちてから偶数拍に伸ばしていくと気持ちが良く感じます。
個人的にはダウンビート感覚曲であり、頭重心の曲と判断します。
そして、身体の無意識の反応も「ダウンビート感覚曲」と判定が出ます。
個人的にはビート感覚の種類でその曲の「頭重心(ダウンビート)orバックビート(アフタービート)」を考えています。
ちなみにクイーンのボーカルの「フレディ・マーキュリー」はアフタービート感覚です。
バンドのその他の動画に写っているメンバーをチェックしてみましたが皆「ダウンビート感覚」でした。
終わりに
音楽のある界隈ではその曲が「頭重心か?バックビートか?」で論争が起きています。
鍬さん(動画の投稿者さん)もこうした経緯から「ダブル鍬システム」を開発しています。
自分は全く楽器を学んだことはなく、ダンスだけの素養ですがだからこそ技術やスキルという視点ではなくボディワークの視点で「ビート感覚」を発見しました。
実際にダウンビート感覚とアフタービート感覚の発見は「オカルト的な技法」が関わっています。
簡単に言うと特定の握りをすることによって「ダウンビート感覚の深い状態」「アフタービート感覚の深い状態」になることができます。
この状態だと、そのビート感覚のリズムや動作しか行えなくなります。
歌を歌う場合にはダウンビート感覚の深い状態では、縦に切ったような発声になり、メッセージ性の強いような印象になります。
アフタービート感覚の深い状態では、メロディチックにしか歌えません。深く歌を強調しようとしても深く発声しようとすると弾かれるようになります。
これは実際にその状態になって見ないと信じることは難しいかもしれません。
ですが事実です。
ビート感覚を自由に変更できる人は世界中でもごく少数だと考えられます。
ですが、もしダウンビート感覚とアフタービート感覚で歌や演奏、ダンスが変わるとしたら「頭重心・バックビート論争」に新たな観点が生じるかもしれません。